[ロンドン 10日 ロイター] - 官民連携でワクチン開発を推進する国際団体、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)は10日、新型コロナウイルスワクチンをパンデミック(世界的大流行)発生から1年足らずで開発できたのは「英雄的」だったとしながらも、世界が次にパンデミックに見舞われた際は100日以内にワクチンを開発できるよう、技術革命の加速化が必要との考えを示した。
CEPIは、次のパンデミックは世界が現在見舞われている新型コロナ危機よりも深刻になる恐れがあると警告。将来的なパンデミックに備えるための総額35億ドルの5カ年戦略への資金提供を呼び掛けた。
CEPIのリチャード・ハチェット最高経営責任者(CEO)はオンラインイベントで、「新型コロナ感染拡大は21世紀初のパンデミックではない。今すぐに行動を起こさなければ、最後のパンデミックとすることはできない」とし、各国政府のほか、国際的な保健機関などが現時点で投資を行う必要があると述べた。
CEPIは、パンデミック発生から100日以内にワクチンを開発するためには、米ファイザー・独ビオンテックのほか、米モデルナが採用した「メッセンジャーRNA(mRNA)」などの開発を迅速化する技術の利用が必要と指摘。承認の円滑化に向けた世界的な医薬品当局との取り組みのほか、製造加速化に向けた連携も欠かせないとした。
CEPIはドイツ、日本、ノルウェーのほか、米マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏設立の慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」などの出資で2017年に発足。新型コロナワクチン開発に主要な役割を果たしている。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210310T180104+0000