[シドニー 11日 ロイター] - 豪議会情報・安全保障委員会のジェームズ・ピーターソン委員長は11日、香港の民主活動家の許智峯(テッド・フイ)氏がオーストラリアで政治活動するのを歓迎するとし、同氏が8日にロンドンから豪州入りしたことは中国にとって問題ではないとの認識を示した。
許氏は昨年終盤、反政府デモに関連して刑事責任を問われていることを受けて香港を離れた。今回は民主化運動を巡る国際的なロビー活動を展開するためロンドンから豪州に移動したと説明。豪州には香港人の大規模なコミュニティーがあるものの、運動を率いるリーダーシップに欠けているとしている。
ピーターソン委員長は、移民政策は「オーストラリアにとって純粋な国内の主権問題」と指摘。ABCラジオに対し「市民であってもなくても、オーストラリアへの訪問者は誰であれ、オーストラリア人が享受している全ての権利と自由を享受できる。彼らは言論の自由、政治活動の自由を享受しているため、彼(許氏)がここでそうすることも歓迎する」と語った。
その上で「彼に対して異なる見方を持つその他訪問者が自らの主張を訴えることも歓迎する」と付け加えた。
許氏は、オーストラリアの国境閉鎖措置の適用が除外され、観光ビザを発給された。また、ロンドンからのフライトでは家族分の席確保で政府支援も受けた。同氏は亡命を求める意図はないとしている。
一方、在オーストラリアの中国大使館は許氏に関する声明文を発表し、「いかなる形であれ、香港問題と中国内政問題に干渉するのをやめるよう豪州側に求める。さもなければ中豪関係はさらなる打撃を受けるだけだ」とした。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210311T052459+0000