[ワシントン 22日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のタイ代表は22日、カナダ、英国、欧州連合(EU)の通商担当閣僚、および世界貿易機関(WTO)と初の電話会談を行った。同代表は18日に就任したばかり。
それぞれの会談でタイ代表は、協力関係の再構築と国際通商に積極的に取り組む姿勢を明確にした。
WTOのオコンジョイウェアラ事務局長との会談では、同事務局長が最優先課題に掲げる新型コロナウイルスワクチンについて、バイデン政権が幅広い提供を確約している点を指摘。USTRによると、両氏は「通商の将来像のほか、労働者中心の通商政策を通じて経済の強化を図るという共通の目標について意見交換した」という。さらに、WTO改革についても協議を行った。
一方、各国通商代表らとの会談では、気候変動や通商における人種平等への対応、および強制労働を始め中国に関連する問題への懸念に取り組む必要性を強調。
カナダのエング国際貿易相とは、昨年発効した新貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の完全履行の重要性について協議。協定に関する閣僚級会合の開催を目指すことで一致したほか、新型コロナウイルス禍からの回復や気候変動、環境問題などを優先課題とすることで合意した。
英国のトラス国際貿易相との会談では、強制労働などの問題を含め「中国などの非市場経済国の不公正な貿易慣行に対処するため、建設的に取り組む」ことで一致した。
欧州委員会のドムブロフスキス副委員長に対しては、大西洋間の貿易と投資の重要性を強調するとともに、「EUとの前向きで生産的な関係構築を強く希望する」と伝達。双方は、航空機補助金問題や鉄鋼・アルミニウムの過剰生産能力への対応についても話し合った。