[エルサレム 23日 ロイター] - イスラエルで23日行われた国会(定数120)総選挙の開票が始まり、現地テレビ局の出口調査によると、ネタニヤフ首相率いる与党右派「リクード」が第1党を維持したが、リクードと組む宗教政党も合わせた右派勢力は過半数を確保できなかった。
リクードは31─32議席を獲得したもようで、ラピド元財務相の中道「イェシュアティド」は16─18議席を得て第2党となった。同党を含む中道左派勢力は選挙戦でネタニヤフ氏の汚職疑惑や新型コロナウイルス対応のまずさを強調し、予想より善戦したが、過半数には届かなかった。
イスラエルは政治の停滞が続いており、ここ2年で4回総選挙が行われた。今回の選挙結果を受けて、今後は連立協議が焦点となるが、まとまらずに総選挙を再び実施する可能性もある。
2009年以降連続で政権を率いてきたネタニヤフ氏はソーシャルメディアで右派とリクードにとって「大きな勝利」だと宣言。ただ、首相が続投できるかどうかはネタニヤフ政権で国防相を務めたことがあるベネット氏の右派政党「イエミナ」が鍵を握りそうだ。
ベネット氏は中道左派勢力を率いるとみられるラピド氏とは組まない考えを既に明確にしているが、ネタニヤフ氏に協力するかどうかも明言していない。
同氏は出口調査の結果発表後、ネタニヤフ氏から電話があり、最終結果を待ってから今後の動きを決める考えを伝えたと明らかにした。ネタニヤフ氏の報道官によると、同氏は保守系の協力政党にも電話し、「頑強で安定した右派政権」に加わるよう求めた。