[ブリュッセル 30日 ロイター] - 英独仏など23カ国の首脳と世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルス流行のような将来の公衆衛生危機に備えた国際条約の締結構想を支持すると表明した。
世界的大流行(パンデミック)が発生した際にワクチン・薬品・診断への公正なアクセスを確保するこうした条約構想は、昨年11月の20カ国・地域(G20)サミットで欧州連合(EU)のミシェル大統領が示していた。
23カ国の内訳は、英独仏のほか、フィジー、ポルトガル、ルーマニア、ルワンダ、ケニア、ギリシャ、韓国、チリ、コスタリカ、アルバニア、南アフリカ、トリニダード・トバゴ、オランダ、チュニジア、セネガル、スペイン、ノルウェー、セルビア、インドネシア、ウクライナ。
各首脳は主要紙に共同で意見記事を出し、「今後も別のパンデミックや重大な公衆衛生危機が起こるだろう。単一の政府や多国間機関が単独でこの脅威に対処できない」と指摘。「パンデミック準備・対応を巡る新しい国際条約に向けて各国が協力すべきだとわれわれは信じる」と表明した。
また、「国家および国際機関のリーダーとして、世界が新型コロナウイルス感染症のパンデミックの教訓を学ぶようにすることがわれわれの責任だと信じている」とした。
条約には米中両国は賛同していないが、WHOのテドロス事務局長は全ての国が協議に参加していると指摘。米ホワイトハウスのサキ報道官は「条約交渉開始のタイミングなどに懸念がある」とし、交渉によりパンデミック対応や将来の備えに対する重要課題から注意がそらされる可能性もあると指摘。ただ、バイデン政権は国際協力に前向きだとも述べた。
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