[北京 30日 ロイター] - 中国の国営新華社通信によると、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会が30日、香港の選挙制度改正計画を承認した。立候補者が「愛国者」かどうか審査し、民主派を抑え込む狙いがある。
香港の立法会(議会)と選挙委員会の規模や構成を親中派に有利にするもので、香港の政治制度としては1997年の中国返還以降で最も大幅な見直しとなる。
新華社によると、承認は全会一致だった。
改正により直接選挙で選ばれる議席は現行の35から20に縮小される。一方、香港の行政長官を選ぶ選挙委が立法会の40議席を選ぶことになる。立法会の定数は現行の70から90に増える。
選挙委も現行の1200人から1500人に拡大し、117人を区議会(地方議会)議員から選ぶ制度を取りやめる。立法会の6人の区議会議員枠も廃止する。
区議会は2019年の選挙の結果、452議席のうち民主派がおよそ90%を占めている。
また、新たに「資格審査委員会」を設立し、中国の治安当局と協力して選挙の候補者が中国政府に忠誠を誓っているかどうかを確認する。
中国当局はこれまでに香港の選挙制度改正について、2019年の反政府運動で国家の安全を脅かした「抜け穴や欠陥」を取り除き、「愛国者」だけが香港の政治に関われるようにすることが目的と説明している。
*新華社の発表に変更し、情報を追加して再送します。