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米駆逐艦が西沙付近航行、主権侵害と中国軍 国際仲裁判断から5年

発行済 2021-07-12 14:21
更新済 2021-07-12 19:09

[北京 12日 ロイター] - 中国人民解放軍は12日、同日に南シナ海の西沙(パラセル)諸島に近い領海に違法に入った米艦船を退去させたと明らかにした。この日は、中国の南シナ海の権利主張に根拠がないという判断を国際仲裁裁判所が示してから5年になる。

人民解放軍南部戦区は、米駆逐艦ベンフォールドが中国政府の許可を得ずにパラセル諸島近海を航行し、中国の主権を著しく侵し南シナ海の安定を損ねたと主張。「米国に対し、直ちにこのような挑発的行動をやめるよう求める」と述べた。

米海軍は12日、声明を発表し、ベンフォールドは国際法に則り、パラセル諸島近辺での航行権と自由を主張したと述べた。その上で「国連海洋法条約に反映されている国際法の下では、軍艦を含むすべての国家の船舶が、領海をつつがなく通過する権利を享受している」と表明。いずれの領有権主張者にも事前通告を行ったり許可を求めることなく同海域を航行することで、中国や台湾、ベトナムが課している不法な制限に異議を唱えた、とした。

2016年7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、南シナ海を巡りフィリピンが起こした仲裁申し立てについて、中国が主張する同海域の歴史的権利に法的根拠がないとの判断を下した。

ブリンケン米国務長官は11日に声明を発表し、自由な航行は全ての国にとり「永続的な」利益だと表明。南シナ海ほど法に基づく海洋秩序が脅かされている場所はないと指摘した。

中国外務省の趙立堅報道官は12日の定例会見で、米国はこの地域の平和と安定を害しているとし、米政府に対し南シナ海で「問題をあおる」ことをやめるよう求めていると述べた。

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