[台北 1日 ロイター] - 中国国務院の台湾事務弁公室は、革命指導者の故毛沢東主席の言葉を引用し、台湾を国際社会にアピールしようとしているジョセフ・ウー外交部長(外相)の「羽ばたきはハエのよう」と揶揄した。
ウー外相は英語が堪能で、シンクタンクや討論会に頻繁に出席し、台湾を国家の一部とみなす中国に反論する姿勢を公言している。
台湾事務弁公室は、30日夜に長文の非難文書を発表。ウー外相は台湾独立の「しぶとい」支持者で、台湾は主権国家だとうそぶいていると述べ、1963年に毛沢東が当時のソ連と米国を非難して詠んだ詩を引用。「台湾独立に関するあらゆる発言はブンブンと”羽ばたき、発作的にむせび泣く”ハエにすぎない」と記載した。
台湾外交部は、この行動はコメントに値しないとしている。
一方、台湾で対中国政策を担う大陸委員会は、この文書を「名誉棄損であり中傷」だとし、「このような言語的暴力は国際社会に類例がなく、大陸当局側の過干渉で、文明社会とはほど遠いことを示しているにすぎない」との見解を示した。