[ドバイ/ワシントン 15日 ロイター] - ロシアのラブロフ外相は15日、イラン核合意関係国としての取り組みをロシアが実行できるとの保証を書面で受け取ったと述べた。
ロシアは核合意修復協議が大詰めを迎えた段階で、ウクライナ侵攻によって欧米が発動した対ロ制裁がイランとロシアの貿易取引に適用されない保証を要求し、協議全体の中断につながっていた。今回のラブロフ氏の発言は、核合意修復協議の前進に協力的な姿勢を示したとの見方が出ている。
ラブロフ氏は「われわれは書面で幾つかの保証を得た。その中にはまさに『包括的共同行動計画(JCPOA)』の復活に関する合意という部分と、JCPOAとそれに付随するロシアの企業と専門職の活動によって提供される全てのプロジェクトが確実に守られるという部分が含まれている」と語った。
ただこのラブロフ氏の発言について、ロシアの真意がどこにあるかはっきりしない、との声も西側諸国の政府当局者の間から出ている。米国務省高官の1人は「もちろんわれわれはJCPOAの全面的な実行再開の一環としてのプロジェクトに参加するロシアを制裁するつもりはない。われわれはロシアに対してそれ以上の保証は提供できない」とくぎを刺した。
モスクワを訪問中のイランのアブドラヒアン外相とともに会見したラブロフ氏は、ロシアが核合意修復協議の妨げになっているとの観測を否定。「米国側が毎日のようにロシアが合意を遅らせていると非難しようとしているとの話を耳にする。それは偽りだ」と強調した。