[台北 31日 ロイター] - 台湾は31日、中国が台湾海峡の中間線付近の飛行ルートを「一方的に」変更したとし、意図的な現状変更の試みだと非難した。
中国の民間航空当局は30日、中間線の西を飛行する「M503」ルートについて、南行きの運航の「オフセット措置」を2月1日から取り消すと発表した。
中間線は中台の事実上の境界線として機能してきたが、中国はその存在を認めておらず、中国軍機は繰り返し中間線を越えている。
中国はまた、台湾が実効支配する金門島と馬祖島に近い中国福建省厦門市と福州市からの2つの飛行ルートで西から東への航路を開設するとした。これは台湾に向かう方向を意味する。
台湾の民間航空当局と対中政策を担当する大陸委員会はこの動きを「一方的」として強く反発。
大陸委員会は中国が飛行の安全を無視し、台湾を軽視しているなどと非難し、「本土側がその路線に固執するなら、両岸関係に影響する深刻な結果の責任を負わなければならない」と述べた。
中国の台湾事務弁公室はルート変更について「日常的」な措置で、空域の逼迫を緩和するものだと説明。また「両岸の航空業務改善やさらなる人的交流促進にも資するもので、両岸の同胞の共通の利益に沿う」とした。
台湾「国家政策研究基金会」の軍事研究者、掲仲氏は新ルートについて、中間線から約7キロの位置で、台湾の防空態勢を圧迫すると述べた。
台湾国防部(国防省)は緊張が高まりやすくなると指摘。「われわれの防空識別圏に進入する未知の航空機に対しては、空域の安全を確保するため運用手順と緊急対応規定に従って対処する」と表明した。