[北京 31日 ロイター] - 中国政府は31日、同国の気球が台湾上空や台湾周辺を飛行していると台湾側が繰り返し抗議していることについて、気象観測用の気球であり、政治的な理由で騒ぎ立てるべきではないと主張した。
台湾当局は今月、中国が台湾周辺や台湾上空に気球を飛行させて航空の安全を脅かし、台湾市民に心理戦を仕掛けていると非難した。
中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は定例会見で「台湾の同胞が疑念を持っている」とした上で、大半の気球は民間企業が飛ばしているもので、世界中でそうした気球が毎日、多数飛行していると指摘。「気球は気象観測など人々の生活のために使われることがほとんどだ。長い歴史があり、目新しいものではない」と述べた。
「(台湾の与党である)民主進歩党の当局は、こうした問題を政治的に誇張し、海峡両岸の反目や対立をあおらないようにすべきだ」とも発言した。
米国は昨年2月、中国の偵察用気球を撃墜したと発表。中国が気球を偵察活動に利用している可能性が国際問題となった。中国政府は民間の飛行船が誤って米国の領空に入ったと説明している。