執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 連邦準備制度理事会(FRB)が今年数回の利上げを計画していることや、ウクライナとロシア間の戦争が長期化するとの報道を受けて、エネルギー株に牽引されるかたちで木曜日のS&P500種株価指数は上昇した。
S&P500は1.2%、ダウ工業株30種平均は1.2%、416ポイント、ナスダック総合は1.3%、それぞれ上昇した。
ロシアがウクライナとの和平交渉の進展を軽視したことで、原油価格が最近の下落分を取り戻し、再び1バレル100ドルを超えて取引され、エネルギー株が3%以上上昇した。
ロシアは、ウクライナとの和平交渉の進展を示唆するニュースは「誤り」であると伝え、エネルギー供給を妨げ、原油価格の上昇をもたらす戦争が長期化するとの思惑が強まった。
国際エネルギー機関(IEA)は、ロシアの原油および原油関連製品に関して4月から日量300万バレルの原油生産が停止する可能性があると発表し、供給不足への期待感を高めている。
Occidental Petroleum (NYSE:OXY)、Devon Energy (NYSE:DVN)、APA (NASDAQ:APA)はそれぞれ9%、9%、7%の上昇となった。
また、ウォーレン・バフェット氏のBerkshire Hathaway (NYSE:BRKa)がOccidental株を1810万株買い増したとのニュースは同社の株価押し上げの追い風となった。
一般消費財セクターでは、Etsy (NASDAQ:ETSY)、Garmin (NYSE:GRMN)、Dollar General (NYSE:DG)などの株価が押し上げられ、市場全体を牽引した。
Dollar Generalは、第4四半期決算が売上および最終収益がともに市場予想を下回ったものの、四半期配当を31%引き上げたことを受けて、株価は4%以上上昇した。
Pagerduty Inc (NYSE:PD)は、新製品発売が業績を後押しし、市場予想を上回る四半期決算を発表したことを背景に20%以上上昇した。
一方、イールド・カーブがさらに平坦化(短期ゾーンの金利が長期ゾーンの金利より速く上昇すること)し、FRBが金融引き締めをしすぎて景気後退を引き起こすという懸念が強まり、水曜日に銀行株は猛烈な上昇をみせたが、上昇基調を維持することができていない。
Fifth Third Bancorp (NASDAQ:FITB)、Regions Financial (NYSE:RF)、Truist Financial (NYSE:TFC)はいずれも1%以上株価が下落した。
Aptus Capital Advisors のポートフォリオ・マネジャー、David Wagner氏は1日、Investing.comのインタビューに対し、「イールド・カーブの反転が予想され、成長が下振れすることを考えると、景気後退がより意識されることは間違いないだろう」と述べた。
一方、ハイテクは、Amazon (NASDAQ:AMZN)を筆頭に大手ハイテクがほぼプラスで取引されたものの、Microsoft Corporation (NASDAQ:MSFT)やAdvanced Micro Devices Inc (NASDAQ:AMD)が弱含んだため、この日は相対的にアンダーパフォームする展開となった。