[ミコライウ/キーウ 30日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、南部奪還に向けて反転攻勢を開始したことを受け、ロシア軍に逃亡を促した。一方、ロシア側は攻撃を撃退し、ウクライナ軍に大きな損害を与えたと主張した。
ウクライナ南部軍司令部は前日、ロシア軍に対する反撃をヘルソン地域を含む南部で開始したと発表した。
ゼレンスキー大統領は30日夜の演説で「もし生き延びたいなら、ロシア軍は逃げ出すときだ」とし、ウクライナが領土を奪還しつつあると述べた。また、戦闘計画については詳細を明かさないとした。
これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアはウクライナでの計画を整然と進めているとし「われわれの目標は、全て達成される」と強調した。
<激しい戦闘>
ウクライナのオレクシー・アレストビッチ大統領顧問は、ヘルソン地域におけるロシア軍の防衛線は「数時間で突破した」と指摘。ただ、数多くの防衛線のうちどれを指しているのかは不明。
また、アレストビッチ氏は、ウクライナ軍がドニエプル川西岸でロシア軍が補給に使用しているフェリーを砲撃していると述べた。
ウクライナ軍の報道官は30日、ロシアが建設しようとした舟橋やフェリーを破壊したと明らかにした。
英当局は、ウクライナが南部戦線全域で砲撃を強化したが、領土奪還の程度を確認することは、まだできないと述べた。
<ザポロジエ原発が焦点に>
一方、ロシア軍の管理下にあるウクライナ南東部のザポロジエ原子力発電所を巡っては、ウクライナ軍が過去24時間に砲弾2発を発射し、原発の使用済み燃料貯蔵棟周辺で爆発させたとしてロシア国防省が非難。ウクライナ側からは直ちにコメントは得られなかった。
ロシアによると、放射線量は正常だという。
国際原子力機関(IAEA)の調査団は今週、欧州最大の同原発を訪れ、検査や損害の評価を行う。ウクライナ大統領府は、IAEAのグロッシ事務局長が30日に首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談したと明らかにしたが、詳細には触れなかった。
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