[上海 31日 ロイター] - 31日の中国短期金融市場で短期金利が急騰し、一時は50%まで上昇した。月末の資金需要に加え、今後の大量の国債発行や市場での金融機関のデフォルト懸念が背景。
中央国債登記結算有限責任公司(CCDC)のデータによると、銀行間市場で翌日物レポ金利は一時50%まで上昇した。
2日物は一時30%に、7日物は12%まで上昇した。
証券会社のトレーダーは「流動性逼迫にすきをつかれた。突然急騰した」と語った。
小規模金融機関の複数のトレーダーはロイターに対し、午後遅くの取引でも資金を求めていたことを明らかにした。詳細は明らかにされていないが一部では市場のデフォルトを懸念する声も聞かれた。
ただ、市場では中国人民銀行(中央銀行)が景気回復を促すため、今後数カ月で追加の流動性を供給するとの見方が根強い。
金融機関は規制上や業務管理上のさまざまな要件を満たすため、月末に資金需要が高まる。
人民銀行はこの日、公開市場操作で差し引き190億元(26億ドル)を供給したが、一部の債券トレーダーは供給額が少なすぎたと指摘。大多数の銀行は月末で資金を出すことに慎重になっているという。
中信証券のチーフエコノミスト、ミン・ミン氏は、人民銀行が緩和的な政策スタンスを維持する可能性が高く、11月はレポ金利が低下するだろうと予想。「年内の預金準備率引き下げや中期貸出制度(MLF)のロールオーバーを通じた流動性供給は引き続きあり得る」と述べた。