[東京 30日 ロイター] - 30日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比527円67銭高の2万7309円35銭と、大幅続伸した。先週末の米国株式市場が大幅高となったことを受け、幅広く物色されて上昇。戻りの関門として意識された2万7000円を大きく上回った。
前週末27日に米国株式市場は大幅続伸。インフレ鈍化と底堅い消費支出を示す統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が景気後退を回避しつつ、金融引き締めを進めることが可能という楽観的な見方が広がった。
これを受けて日本株は幅広く買われてスタート。前週末の米株市場では、大型ハイテク株などグロース系銘柄がしっかりだったことを受けて、半導体関連株をはじめ指数寄与度が大きい値がさのハイテク株が物色され、指数を押し上げる格好となっている。
日経平均は500円を超す大幅上昇となり、その結果、上値抵抗線として意識されていた2万7000円を大きく上回った。3回トライしながら突破できなかった大台をクリアしたことで、テクニカル面では底打ち期待を膨らませた。
一方、相場の環境面では中国のロックダウンについて「上海市当局が6月1日から規制解除の方針を示したことが注目され、株式市場の好材料になりそうだ」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれる。
30日はメモリアルデーのため、米国株式市場は休場となる。そのため「月末月初で経済統計が多数明らかになることとともに見送り要因となり、後場に日経平均は伸び悩む可能性がある」(雨宮総研代表の雨宮京子氏)という。ただ、それでも時間外取引で米株先物が堅調に推移しており、安心感を誘ったとの指摘もあった。
TOPIXは1.74%高で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆6434億3200万円だった。東証33業種では、サービス業、電気機器、機械など30業種が値上がりとなっている。
個別では、任天堂、キーエンスなど値がさ株が上値追いとなったほか、トヨタ自動車など主力銘柄に堅調なものが目立つ。ソフトバンクグループが高い。半面、日本郵船は軟調に推移した。
プライム市場の騰落数は、値上がり1644銘柄(89%)に対し、値下がりが155銘柄(8%)、変わらずが37銘柄(2%)だった。