[ロンドン 6日 ロイター] - 海運関連のデータや業界関係者によると、欧州の石炭輸入業者は世界各国から石炭出荷を増やしている。欧州連合(EU)のロシア産石炭の輸入停止案や天然ガス供給を巡る先行き不透明感を背景に、欧州向けの石炭輸出に変化が出始めている。
EUの欧州委員会は5日、ロシア産の石炭の輸入停止の制裁措置を加盟国に提案した。
ロシア政府は、国産ガスの支払いをルーブルで行うよう要求しており、EUへのガス供給を巡る先行き不透明感が増している。
ブレーマーACMのデータによると、欧州各国が3月に輸入した一般炭は前年比40.5%増の710万トンで、2019年3月以来の高水準となった。
ブレーマーによると、3月のロシア産石炭の欧州向け出荷量はまだウクライナ戦争前の水準を維持しているが、欧州への石炭輸出に変化が出始めている。
3月のコロンビアからの一般単輸入は130万トンで、前年同期比47.3%増加。また、米国からの輸入は80万9000トンで、前年同期比30.3%増え、19年9月以来の高水準となった。
昨年はゼロだった南アフリカからの輸入も28万7000トンとなった。