[東京 4日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、欧州中央銀行(ECB)理事会や中国全人代など海外の政策イベントを見極める姿勢が強まるとみられている。メジャーSQ(特別清算指数)算出など需給面での波乱も警戒される半面、ECBが事前に示唆したように追加緩和に踏み切れば、年初から続いた市場の動揺がさらに沈静化に向かう可能性もある。
日経平均の予想レンジは1万6500円─1万7500円。
日経平均 .N225 は前月末から4営業日で988円高。率にして6.1%と急ピッチな上昇となっている。原動力となったのは落ち着きを取り戻しつつある原油相場。主要産油国による増産凍結への期待感を支えに、米原油先物は直近では下げ止まりの兆候がみられている。
米2月雇用統計については「比較的底堅い内容となるのではないか」(国内投信)との見方が多い。ただ3月の米利上げを予想する向きは少ないため、強い内容となれば、米景気に対する過度の懸念を後退させる材料となる可能性が高いという。
国内は来週末がメジャーSQ算出日となり、需給要因で指数が上下に振れる展開も予想されている。裁定買い残が減少するなかで相場は戻り歩調にあり、「売り仕掛けも出にくい」(国内証券)との見方もある。とはいえ、原油相場が再度下値を模索すればリスク回避ムードは再燃しかねず、神経質な地合いは継続しそうだ。
10日にはECB理事会とドラギ総裁の会見が予定されているほか、再来週には日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)も控えている。まずはECBの判断に注目が集まるが、「金融緩和をすでに市場は織り込んでおり、失望リスクへの警戒もある」(国内証券)との声も聞かれる。
一方で「G20以降、景気対策を優先させるというのが世界的なコンセンサスとなってきた」(アムンディ・ジャパン市場経済調査部長の濱崎優氏)との見方もある。財政政策面での各国の協調姿勢への期待感が継続すれば、相場の下支え要因となりそうだ。
5日からは中国で全人代も始まる。中期的な経済運営方針が示されるとみられるなか、積極的な財政政策が打ち出されれば、中国景気に対する不安感も和らぎやすい。国内では8日に2月景気ウォッチャー調査、11日には1─3月期法人企業景気予測調査も発表される予定となっており、景気動向を精査する週にもなりそうだ。
(株式マーケットチーム※)