Simon Lewis
[アブダビ/アルウラ(サウジアラビア) 8日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は8日、サウジアラビアおよびアラブ首長国連邦(UAE)の首脳らと会談後、地域諸国はイスラエルとの関係正常化を追求することに関心があるが、それにはパレスチナ国家への明確な道筋が必要だと述べた。
ブリンケン長官は「この地域では(イスラエルとの関係正常化の)追求に明らかな関心があるが、そのためにはパレスチナ自治区ガザでの戦争の終結が必要であり、パレスチナ国家への現実的な道筋が必要であることも明らかだ」とした。
米国務省のマシュー・ミラー報道官によると、ブリンケン長官はUAEのムハンマド大統領と会談し「イスラエルの安全保障を確保し、独立したパレスチナ国家の樹立を前進させるような永続的な地域和平を確保する」という米政府のコミットメントを強調したという。またスーダンでの紛争終結の重要性についても話し合われたとした。
ブリンケン長官はその後、サウジを訪問。アルウラーでムハンマド皇太子と会談した。
ブリンケン長官はサウジで記者団に対し、地域の将来について話し合い、いくつかの目標については大筋の合意が得られたと指摘。その中には、ヨルダン川西岸とガザがパレスチナ主導の統治の下で統一されるべきであること、地域は分断や紛争ではなく関係正常化に向けて取り組む必要があることなどが含まれていたという。
ブリンケン長官は「そのためにはパレスチナ独立国家の樹立が必要だ」と語った。
一方、国営サウジ通信(SPA)によると、ムハンマド皇太子は、ガザ地区での軍事行動を停止し、和平への道筋をつけることの重要性を強調。パレスチナの人々が正当な権利を獲得し、公正で永続的な和平を達成できるよう、安定と和平路線を回復するための条件整備に取り組む必要性も強調した。
ブリンケン長官はこの後、イスラエルも訪問。9日に当局者と会談する。ブリンケン長官はこれまでの会談で得た内容をイスラエル指導者らと共有し、ガザでのイスラエルの軍事作戦の先行きについて話し合うと言及。民間人の保護や人道支援の提供、人質解放なども焦点になるという。