[東京 15日 ロイター] - 日本航空(JAL)傘下の格安航空会社(LCC)のジップエア・トーキョー(千葉県成田市)は15日、機体のデザインを変更すると発表した。「Z」マークの描かれた尾翼部分を幾何学的な模様で塗りつぶす。創業期から事業拡大期へと移る意思を社内外に示すのが狙いだが、「Z」の文字はウクライナ侵攻を支持するシンボルとしてロシアの軍用車両や同国内の看板などに使われており、乗客の不安の声にも配慮した。
ジップエアの西田真吾社長は記者会見で、デザイン変更の理由について「一義的には次のステージに移るためだ」と説明した上で、「航空産業は平和産業。お客様にはできるだけ心配事や不安な思いをされることのないように、と考え併せての変更だ」と述べた。
Zマークは尾翼のほか、機内で使われるヘッドレストカバーや紙コップなどにもついているが、順次変更する。同社によると、顧客からウクライナ侵攻との関係性を尋ねられたり、インターネット上で懸念の声が出ていたという。18日から「Z」の部分のみを消すデザインに順次変更し、12月ごろから正式なデザインによる機体の運航を開始。23年春までに4機全機を新デザインにする。
同社はこの日、米国・サンノゼ線を12月から新たに就航することも併せて発表した。同社としては6路線目となり、10―30代の若年層を中心とした顧客を想定する。
ジップエアは国際線の中長距離路線を中心とするLCCとして2018年に設立。新型コロナウイルス禍に見舞われ、初就航は20年に貨物専用便としてのタイ・バンコク線だった。その後、旅客便は韓国・ソウル(仁川)線を皮切りに、現在シンガポール、米国のホノルルやロサンゼルスなど計5路線を就航している。
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