[ソウル 2日 ロイター] - 韓国統計局が2日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.0%上昇し、伸び率は4月以来の低さとなった。市場予想の5.1%もやや下回った。
10月の上昇率は5.7%だった。7月に24年ぶり高水準の6.3%を記録したが、その後はエネルギー価格の伸び鈍化や景気減速を背景に低下している。
大信証券のエコノミスト、コン・ドンラク氏は「ここ数カ月から急激に低下し、インフレがピークに達したことを示しているが、水準自体は依然として非常に高い」と指摘。
「高インフレに対する市場の懸念はある程度和らぐと思われるが、金融引き締めの根拠は変わらない」と述べた。
統計発表後、企画財政省はCPIの伸び鈍化について、供給状況の改善により農産物が前年比2.0%下落したことや、石油製品の伸びが5.6%と前月の10.7%を大幅に下回ったことが主な要因だと指摘した。
韓国銀行(中央銀行)は、インフレ動向を話し合う幹部会合後に声明を発表し、国内のインフレ率は来年初めまで5%前後で推移するとの見通しを示した。
11月のCPIについてはベース効果で伸びが大幅に鈍化し、予想通りだったとした一方、今後の見通しは上下双方向で依然として不透明感が強いと指摘した。
中銀の李昌ヨン総裁は11月30日、必要に応じて政策の引き締めペースを再調整する用意があると述べた。中銀は昨年8月以降、政策金利を計275ベーシスポイント(bp)引き上げている。
11月のCPIは前月比では0.1%下落。10月は0.3%上昇していた。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比4.3%上昇と、10月の4.2%から伸びが加速。2008年12月以来の高い伸びとなり、基調的なインフレが高止まりしていることを示した。