外為市場の焦点は引き続きドル相場の動向にあろう。日本時間21時30分の米消費者物価指数(3月、CPI)が予想外に低迷すれば、イエレンFRBによる早期利上げ期待が後退し米金利の低下とドル売りを促そう。
問題は米株の反応だろう。直近の冴えない指標データは基本的に株安材料である。ギリシャリスクの再燃により欧州株式が再び不安定化し始め、主要20か国(G20)の財務相・中央銀行総裁会議(米ワシントン、16~17日)が開催されるタイミングで米指標データが冴えない内容となれば、米株は調整色を強める可能性がある。日欧に加え米株まで軟調な地合いとなれば、クロス円の上値をレジストする要因(=ドル安によるクロス円上昇圧力の相殺要因)となろう。結果、USD/JPYはサポート要因(=クロス円の上昇)を失い、ドル売り圧力を背景に118円台の攻防へとシフトしよう。
一方、堅調地合いが続く資源国通貨は原油相場にらみの状況が継続しよう。週末を控え、上記のリスクイベントや中東の地政学的リスク(中東における海上交通の要衝であるイエメンの石油施設が武装勢力に制圧されたとの報道あり)の高まりを鑑みるに、本日の原油相場は利益確定売り優勢となる可能性がある。株安も合わされば、EUR/JPYやGBP/JPYのみならず、AUD/JPYやCAD/JPYでも利益確定売り圧力が強まり、クロス円全体が円高ムードを強める可能性もあるため要注意。
【テクニカル分析コメント】-USD/JPY、クロス円のサポート失えば118円台の維持が焦点に
レジスタンス
120.00:オファー
119.68:21日(赤ライン)
119.50:オファー
サポート
118.94:一目/雲の下限(緑ライン)
118.80:ビッド
118.72:4/3安値
118.70-50:断続的なビッド
118.33:3月26日安値
118.21:リトレースメント61.80%
118.00:ビッド
5日連続で陰線が示現。短期サポートラインを割り込んできたことで、ダウンサイドリスクをより警戒すべき局面へシフトしている。
目先のサポートポイントは日足の一目/雲の下限だが、4月に入ってからの動向を鑑みるに、真の焦点は118.70レベルの維持だろう。この重要サポートポイントをも下方ブレイクする展開となれば、3月26日安値118.33及び今年高値122.03からの61.80%戻し118.21レベルを視野に下落幅が拡大しよう。118.80、118円ミドルレベルそして118.00にはそれぞれビッドが観測されている。
一方、上値は21日MAのトライとなるかが注目される。119.50、120.00にはそれぞれオファーが観測されている。
日足