昨日、興味を引いたのは欧州マーケットの動向だった。主要な株価指数は先週からの流れを引き継ぎ、軒並み上昇基調を維持。持続的な欧州株高は投資家のリスク許容度を拡大させ独金利の反発基調につながっている。同時に南欧諸国(イタリア、スペイン、ポルトガル)利回りの低下要因ともなり、結果外為市場でのユーロ買い戻しをサポートしている。
ギリシャ政府による救済交渉チーム再編成の報道が出る前からこれらの状況が確認されていた事実は、ギリシャリスクよりも欧州中央銀行(ECB)による一連の緩和強化策がユーロ圏経済全体の安定化につながり始めている点に欧州投資家の意識が集中していることを示唆している。よって、現在のユーロ相場の買戻し基調の持続性は、欧州株式の動向次第と言えるだろう。米金融政策への不透明感が増しているタイミングで引き続き欧州株高維持となれば、「独金利反発⇒米独金利差縮小⇒ユーロ売り圧力がさらに後退」というプロセスを背景に、EUR/USDは節目の1.10をトライする展開となろう。
また、株高はクロス円での上昇要因でもあることから、「ドルストレートでのドル安+株高」を背景にEUR/JPYは134.14レベル(4/28現在)で推移している日足の一目/雲の下限を目指す展開が想定される。他のクロス円も同様の展開となろう。
ただ、EUR/USDが1.10を超えて尚上値トライとなるかは、米イベント次第だろう。今週の米連邦後退市場委員会(FOMC)や1-3月期GDP速報値の結果、イエレンFRBによる早期利上げ観測が再台頭すれば、1.10-1.1050ゾーンでレジストされる可能性も意識しておきたい。
【テクニカル分析コメント】 -USD/JPY、攻防分岐は118.70-50ゾーン
レジスタンス
120.00:オファー
119.59:一目/基準線(緑ライン)&21日MA (赤ライン)
119.44:4/27高値
サポート
118.70:トライアングル下限
118.53:4/20安値
118.50:ビッド
118.33:3/26安値
日足の一目/雲の下限(118.94、4/28現在)で神経戦が継続している。
だが、4月中旬以降の反発レベルを確認すると、より注視すべきは118.70&118.50レベルでの攻防だろう。前者の水準ではトライアングル下限がクロスし、後者ではビッドが置かれている。
一方、上値は119.60レベルでの攻防が焦点となろう。
トレード戦略としては、①119.60レベルでのドルショート、②一目/雲の下限ブレイク後のドルショート、③トライアングル下限ブレイク後の ドルショート、という3つのドルショート戦略を軸に考えたい。
ショートカバーのポイントとしては、①の場合一目/雲の下限 / トライアングル下限 / 118.50台、②の場合トライアングル下限付近 / 118.50台、③の場合118.50台をそれぞれ想定したい。途転で攻める場合は、119円台再上昇後の利益確定を常に想定しつつ、ダウンサイドリスクを意識し118.50下にストップを置いておきたい。
日足チャート