金融市場は調整が懸念される中、
貴金属相場は?
目次
●金:ドル建ては上昇継続
●白金:底値模索の段階
●ドル円:大勢円安は変わらず
●海運指数:商品市場の先行指標に
●トピックス
先週は、トランプ政権がオバマケア代替案を議会で通せず、金融市場はリスク要因として先行き懸念が広がり調整を迎えています。
公約であったオバマケア見直しが進まず、今後の政権運営に対する懸念が強まっています。
金融市場は、これまでの期待相場から、政権の実行力を問う段階になっています。
金:ドル建ては上昇継続
その中で、FOMCでの利上げが目先の材料出尽くしとなり反発していたドル建ての金相場は、1250ドルを超えるところまで上昇しています。
東京金は、ドル建てが上昇する中で、為替が円高に進んだことで相殺されて、鈍い動きになっています。
一目均衡表の雲上限に達しており、今後の動向が注目されますが、円建てについてはしばらく方向感が出にくい展開と見ています。
白金:底値模索の段階
ドル建ての白金は、金同様にFOMC後に反発して下げ止まりをみせていますが、金ほど上昇が強くなく雲の中での動きになっています。
東京白金は、直近安値を下抜くなど軟調で、まだ下値模索の段階と見ています。
3400~3500円の窓埋めに入って止まってきており、今後の動きに注目です。
一方で、白金の外部環境は、変わらず良好です。
ドルランドはランド高更新中で、ランド建ての白金は12000割れまで下落してきており、相当値頃感が出てきています。
ドル円:大勢円安は変わらず
年初からの112~115円のレンジを下抜けて、現在110円前半まで円高が進んでいます。
トランプ大統領選出時の101円台から昨年末には118円まで円安が進みましたが、この半値押しが109円台です。
週足では厚い雲に入ってきており、どこで円高が止まるのか注意深くみておきましょう。
ただし、大勢は円安方向との考えに変化はありません。
ドル円のファンドのポジション動向をご覧ください。
ファンドは昨年後半より、ドル円相場にまったくフィットしておりません。
直近では、FOMC後に再度円売りポジションを増やしましたが、結果は現在まで円高に大きく振れており、またも曲がっている
状況です。
ファンドには勝てないとの意見をよくいただきますが、ファンドも曲がるときは徹底して曲がっていることが分かっていただけるのではないでしょうか。
海運指数:商品市場の先行指標に
最後に、今日は海運市況をあらわすバルチック海運指数をみてみましょう。
去年の夏から年末にかけて上昇するも、2月に大幅な調整をいれていました。
足元は昨年末に並ぶまで急激な上昇をみせています。
海上運賃の上昇は、商品価格の押し上げ要因になり、商品相場の先行指数としても見ることができるため、チェックが必要です。
トピックス
世界的に有名な投資家、ウォーレン・バフェットの言葉です。
投資の世界には、見逃し三振はありません。
時には見逃す勇気も必要であり、狙い球を絞って、徹底して待つというスタンスも重要です。
いざ狙い球が来たときにしっかりと振ることができるよう、準備万端に整えておきましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
当コラムの筆者、後藤道義のセミナーも定期開催中。
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