株式市場の動きに要警戒
目次
●NYダウ:警戒が現実味
●日経平均:割安もパニック下げには注意
●貴金属:スポットの上ヒゲサインに注目
●海運指数:バルチック海運指数がジワジワ上昇
NYダウ:警戒が現実味
夏場は季節習性として、株式市場は下げる傾向が強く、警戒をしていたことが現実のものとなりつつあります。
1年のうち8月はここ20年もっとも悪いパフォーマンスです。
リーマンショック以来、何度かこのような調整がありましたが、米国株はそのたびに上値を更新し、史上最高値を走り続けてきました。
今回の下げもこれまで同様、一時的な高値修正であれば問題ありませんが、本格的なパニックを呼ぶ下げにつながる可能性もあるので、注意が必要と感じます。
8/17は、めずらしいことにダウの30銘柄全てが下落となりました。
仮にパニック的な下げになると、金融市場に大きく影響し、商品市場にも影響が出るため、警戒しておくべきでしょう。
日経平均:割安もパニック下げには注意
日経平均の指標をみると、予想PERが14倍を割り込むなどすでに割安感が出る水準です。
昨年秋からの上昇トレンドでは200日移動平均線が下値ラインになっており、現在その200日移動平均線は19150円。
ここで下げ止まれるか重要なポイントです。
上は、一株当たりの利益(EPS)とドル円の推移を表しています。
予想EPSは1413円まで上昇しており、これは過去最高益の予想です。
日経平均銘柄の業績予想は良好というのが分かりますが、パニック的な下げの場合は割安も関係なく売られますので、地合をしっかり見ていきたいとおもいます。
貴金属:スポットの上ヒゲサインに注目
週足で見ると、白金の反発ははじまったばかりといえますが、目先は警戒が必要です。
金のスポット市場は1300ドルから反落、高値でトリプルトップの様相で、かつ上ヒゲで反落しています。
白金も同様に、上ヒゲで下落しているのがわかります。
過去、スポット市場のチャートで、高値で上ヒゲをつけたところから下落する場面が多々あり、目先は下落への警戒が必要です。
これまで反発上昇の好材料としていきたファンドのポジションは、金の買い越しが18万枚まで増加して警戒レベルになり、白金も買い越しが急増しており、金同様に警戒すべきところです。
白金のスポット市場の日足をみると、相対力指数が70以上をつけて下落しています。
ファンドのポジション調整も必要なため、期待していたほどの値幅は出ていませんが、一旦休憩が必要なのかもしれません。
海運指数:バルチック海運指数がジワジワ上昇
商品相場に影響する海上運賃ですが、指標のバルチック海運指数をみるとジワジワ上昇してきています。
すぐ、商品価格に影響するわけではありませんが、こちらも頭の片隅に置いておきましょう。
今週は、ジャクソンホールでイエレンFRB議長、ドラギECB総裁の講演を控えています。
市場は双方の今後の金融政策の動向に注目しています。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
当コラムの筆者、萩原航のセミナーも定期開催中。
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