米中間の貿易戦争が続くの背景の中、新興国通貨は停滞し経済活動も縮小している。
一方、米国の経済指標は好調であり、米連邦準備理事会(FRB)は利上げの道を整え、 ドルは上昇している。同時に、歴史上最大の金融緩和政策のあと、どのように正常化するか、その道筋をつけるのに主要市場は苦労している。
利上げによりドルが強くなり、通貨間の金利差が拡大することによって、新興国通貨を下落させている。ドル高と新興国通貨のリスク上昇の市場ダイナミクスは、さらなるドル高と新興国通貨の下落を自ら招いている。
iShares MSCI Emerging Markets ETF (NYSE:EEM)は、1月下旬以来ずっと下落している。8月15日の時点で、全体で21%下落し、その後少し回復したが、昨日時点の終値は日次の最安値をつけ19%の下落である。
50日の移動平均線(上図:緑)は、1月の下降トレンドラインと一致する。8月の50日の移動平均線より上で推移したが、下降トレンドラインを超えることなく価格はその移動平均線を下抜けした。
MACDは、期間の短い移動平均線が、長い移動平均線を下抜けし、売りシグナルを発している。同様に、RSI は、ヘッド&ショルダーを形成した。ヘッドの部分にあたる59の水準は、1月の下落の時以来の高水準である。
平均方向性指数(ADX)は上昇している。これは下降トレンド傾向が強いことを示している。逆にADXが下落しているときは、トレンドが弱いことを示す。現在は19.6であり、いまにも20の水準を超えそうであり、今後強いトレンドが見込まれる。
もう新興国通貨の下落が無いと考えているのなら、次の2点を考えてほしい。
- 21%落ちた後、下落相場に突入した。その後の上昇は下降トレンドの中の調整に過ぎず、下落はこのトレンドの延長として考えられる。
- 長期的視点で週次をみても下落相場である
2016年の底に到達するためには、さらに35%あり、まだ長い道のりである。上のチャートで、新興国通貨と米ドルインデックスを見ると「負の相関関係」が見られる。
トレード戦略ーショートエントリー準備
慎重なトレーダーは、8月15日の41.13よりさらに下落し、現在の下降トレンドが更新されるまで待つべきだ。
一般トレーダーは、43.6000に戻ってきた時にショートできるだろう。.
積極的なトレーダーは、1:3のリスクリワードレシオの上で、いまショートするだろう。
トレード例:慎重なトレーダー
- エントリー: 41.00
- 損切り: 42.00
- 損切り幅: $1
- 目標価格: 35.00
- 利確幅: $6
- リスクリワードレシオ: 1:6
トレード例:一般トレーダー
- エントリー: 43.00
- 損切り: 43.50
- 損切り幅: $0.5
- 目標価格: 41
- 利確幅: $2
- リスクリワードレシオ: 1:4
トレード例:積極的なトレーダー
- エントリー: 42.30
- 損切り: 43.30
- 損切り幅: $1.00
- 目標価格: 39.30
- 利確幅: $3
- リスクリワードレシオ: 1:3