今週の経済指標により為替相場は忙しくなるだろう。週が進むにつれてボラティリティーが高くなると予想される。
24日、投資家はニューヨーク時間において最もドルを買うことに時間を費やしただろう。ドルはユーロに対して、株式市場が開いてから1.1815の安値をつけたが、ニューヨーク時間を終え1.1750近くで終値を迎えた。同様に、USD/JPYやUSD/CHFも安値から始まり、ニューヨーク時間を終えて高値で終値を迎えてた。一方で、 ポンドは逆に高値から安値に推移していた。これらの動きは、シカゴ連銀景気指数 、ダラス連銀景気指数 が予想を下回って減少しており、アメリカの経済指標とは関係がないと言えるだろう。
その一方で、今週予定されている連邦準備制度理事会の 利上げ はドルを上昇させると考えられる。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を含め、今週はたくさんのイベントが控えている。以下の5つが、今週注目すべき5つの要因だ。
今週の5大イベント
- FOMC 政策金利
- Q3 終了
- 9月30日 北米自由貿易協定(NAFTA)合意期限
- ニュージーランド準備銀行政策金利発表
- 国際連合総会 & 各中央銀行総裁の講演
今週米連邦準備制度理事会(FRB)は、FOMCで政策金利を上げると予想されているが、問題はその後の利上げに対しハト派かタカ派どちらになるかだろう。この決定は、主要通貨に大きく影響するだろう。また、一方では、米国株式は今四半期は最高値を続伸しており、ポートフォリオのリバランスをすることになるだろうが、これはドル安の原因となるかもしれない。同様の動きは今月始めにも起きていたが、今週さらに追加で起こる可能性がある。
FRBは 政策金利発表の他には、今週のニュージーランド準備銀行の見通しはNZドルに大きく影響を与えると考えられる。
そして、米国とカナダの通商交渉は、NAFTAの合意期限が迫るにつれて注目されるだろう。アメリカは、貿易促進権限(ファストトラック手続き)に基づき、9月30日までに合意したいと考えている。また、メキシコ大統領が12月1日に辞任してしまうため、現大統領が在任中に合意したいとトランプ米大統領が考えているからだ。
今週ある指標の最後として、国際連合総会が控えており注目されている。パウエルFRB議長、ドラギECB総裁、カーニー英中銀総裁、ポロツ加総裁による講演が月曜日に予定されている。市場は、これらの総裁のコメントに敏感になるだろう。
ドラギECB総裁が比較的インフレが上昇していると発言した際、ユーロ/ドル(EUR/USD)は1.18より上まで上昇した。 ドル高で高値から後退しているが、インフレに対する見通しや強い経済指標を背景にユーロは他の主要通貨に比べて良いパフォーマンスを見せるだろう。
通商問題にも関わらず、ドイツ IFO景況指数は9月に改善し、今月始めに発表された良い投資家のセンチメントの結果を反映するものとなった。ドイツの 消費者物価指数(CPI)は今週末に予定されている。ドラギECB総裁のコメントを考慮すると、リスクは緩和されていると考えられるだろう。
一方、ポンドはブレグジット問題によって下落した。CBIによるCBI産業受注動向が9月にマイナスに転じただけではなく、EU離脱(ブレクジット)交渉が厳しい状況になっている。11月までには合意に至ることは可能だろうが、未だ進展する材料はない。
それどころか、英国のラーブEU離脱担当相とメイ首相は強気で、EUの条件に折れない姿勢である。
豪ドルとNZドルは、中国が米国の通商交渉を断ったことによって、日次最安値で終値を迎えた。
ポイントは米国とカナダ/中国との貿易交渉や、EU離脱交渉においても全く進展しておらず、不確実性は一向に取り払われていないということだ。