過去10年の力強い上昇の後で、ポートフォリオに組みこむべき米国テクノロジー株を買うことはなかなか難しくなっている。そんな中、なぜグーグル(Google)(NASDAQ:GOOGL) が理想的な選択肢であるか理由を紹介しよう。
投資家はFAANG(Facebook, Amazon, Apple, Netflix, Google)のどの企業が、「スマートホーム」や、「無人自動車」、「AI」などの次のテクノロジーブームで成功するのか予想する事はとても難しいことだろう。
また、これらの企業のデータセキュリティーを巡る事件は、今後の成長ポテンシャルについての懸念を抱かせる。
フェイスブック(NASDAQ:FB)株は7月下旬から4分の1下落した。これはデータプライバシーの問題の改善や、新しい法律への適応によって、フェイスブックは売上を維持できないという懸念の結果である。
但し、これらFAANGの不確実性の中でも、悪影響を受けない会社が存在している。
グーグルの親会社であるアルファベット(Alphabet)(NASDAQ:GOOGL)がその内の一つだ。
以下が、なぜグーグルが多様な圧力に対抗でき、かつ長期的に成長できるかの理由だ。
1. グーグルの強い「堀」
株を買う際に必要な判断基準は、城を守る「堀」だ。
この「堀」という言葉は世界で一番成功しているバリュー投資家であるウォーレン・バフェットの言葉から来ている。
2007年のバフェットが株主に当てた手紙で、その「堀」コンセプトを説明している。
「本当に良い企業は必ず強い「堀」を備え、投下資本に対しすばらしいリターンを守ることができる。資本主義では、競合はハイリターンな「ビジネス=城」を繰り返し攻めてくる。よって、低コストの生産力や、世界的なブランド力などの強い「堀」を持つことは成功を続ける本質的な要素である」
グーグルは、このような「堀」を備えており、他社が攻め入れられない強さを持っている企業であることは間違いないだろう。90%以上のインターネット検索はグーグルや子会社のユーチューブ(Youtube)が占めている。
グーグルは一日あたり35億回もの検索が行われており、広告主にとって最高のプラットフォームであろう。
あるプロダクトやサービスが検索結果に出てこない場合、人々はその商品を見つけることは出来ないというインターネットの大前提の上で、グーグルのインターネットにおけるポジションは唯一無二であり、デジタル広告市場の約40%を占めている。
比類なきこの強みは、第2四半期の決算にも現れている。グーグルは広告事業で24%の成長率を見せ、収益額を262億4000万ドルに押し上げている。
一方で、グーグルはEU競争法(独占禁止法)の違反や、個人情報の収集に関し問い詰められており、ユーチューブにおいても、去年差別を煽る動画に広告が掲載されていたことをきっかけに複数の企業が広告を引きあげた経緯がある。しかしこのような騒動があった後でも、グーグルは大きく成長を遂げている。
2. グーグルの資金力×技術力
強い「堀」がある企業に投資する事が、必ずしも成功に繋がる訳ではない。もしテクノロジー企業がコンスタントにイノベーションを起こせなかったり、成長領域に投資できなければ、その企業は置いていかれるだろう。
グーグルは財務的にもとても強く、将来の収益をあげるようなイノベーションを起こし続けている。特に、無人自動車技術は成長するもっとも期待できる領域だろう。
UBSによると、無人自動車の市場は2030年には28億ドルになるという。グーグルの親会社アルファベットのベンチャーであるWaymoはその無人自動車市場の30%を奪う可能性がある。
アルファベットは将来のマーケットリーダーを取るために「ホームオートメーション」、「クラウドコンピューティング」、「AI」などの領域へ多大に投資している。
アルファベットのルース・ポラットCFOは、これらの新領域でのリーダーを勝ち取るために引き続き投資していくことを明かしている。
「私達の前に置かれている機会は特筆すべきものであり、私達は長期的な収益と利益成長のために投資していきます」
「私達は次世代技術に投資し、それが有効であることに自信を持っている」
要点
グーグルはEPSの20%の成長率を維持、また超えるために大きく投資している。株価収益率(PER)は24倍であり、グーグル株は全く高くない。
グーグルは以前からある成長領域を維持しつつ新規成長領域のシェアを狙っている。
グーグル株を保有しない理由はないだろう。