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ドルの上昇は終わりに近づいている?!/イングランド銀行の見通し

発行済 2018-11-01 20:29
更新済 2023-07-09 19:31

1031日は世間はハロウィーンだったが、金融市場はそれほど恐ろしい日ではなかった

ダウ平均400ポイント近く上昇し、米ドルは引き続き続伸していた。

● 米ドル

NYセッションでは、月末の調整としてドルはロングポジションの利確を招き、ロンドンセッションが終わる前にはショーターが戻ってきたようだ。

ドルは、 ユーロに対して2ヶ月ぶりの最高水準まで上昇している。また、 スイス・フランに対して、1年以上ぶりの高水準である。

商品通貨に対してもドルが上昇していたが、中でも注目すべきは USD/CADが1ヶ月ぶりの高値であることだ。

10月はドルにとって非常に強い月であったが、年末が近づいておりドルは年末の調整によって影響を受けるかもしれない。

水曜日のADP非農業部門雇用者数増減は増加しており、予定されている非農業部門雇用者数増減(NFPの結果で、ドルが上昇するのではないかと考えられている。

しかし、一方で他に弱い経済指標の結果も見受けられる。

水曜日にリリースされた経済指標では、住宅ローン承認は低下し、NYの製造業指数は6ヶ月ぶりの低水準であった。

ドル高によって多くの主要通貨は、重要なサポートレベルまで下落している。もし、非農業部門雇用者数増減(NFPの結果が悪ければ、投資家はドルを売り始めるだろう。

● ユーロ

特にEUR/USD200日間の移動平均線が試されており、その水準でサポートされたら、1.123ドルでダブルボトムを形成するだろう。

ユーロ圏の経済指標は奮っていない。ドイツの小売売上高の成長は予想を下回っていた。インフレ は上昇しており、最近のユーロの下落はインフレ上昇リスクを増加させている。

ドラギECB総裁は、資産買い入れを12月に止める計画であることを明らかにした。

ECBのエワルド・ノボトニーは経済の見通しを下方修正する可能性を述べているが、ドラギECB総裁は最近の経済指標が悪かったことを気にしていない。長期的には、弱いユーロは経済を助けるだろう。

● 英ポンド

市場は 英ポンドに注目が集まっている。なぜなら、木曜日にイングランド銀行(英中央銀行)による 政策金利発表とインフレ報告書の発表があるからだ。

イングランド銀行は金利を変更すると考えられており、英国経済の見通しやそれに対する見解は、英ポンドに大きな影響を与えると考えられる。

ドルに対し英ポンドは、イングランド銀行によるインフレ報告書カーニー英中銀総裁のコメントによって、8月の安値を抜けていくか、それともここから上昇していくかを決めるだろう。

続落しているGBP/USDを基に、投資家は最悪のケースに備えているだろう。下の画像の表は、9月の政策金利を発表以降の経済指標と結果である。イギリス経済自体は良いことが分かる。失業率は低く、 インフレ(消費者物価指数)は中央銀行の目標より良く、平均所得は上昇している。

前回のインフレ報告書がリリースされた時には、イングランド銀行は利上げを行ったが、英ポンドは下落した。なぜなら、イングランド銀行は今後の金融引き締めの計画がないことを明確にしたからだ。

カーニー英中銀総裁は、もしイギリスがEU離脱(ブレクジット)を巡り合意に至らなかった場合、利下げする必要性を示している。

2ヶ月が経ったが、イギリスは未だにEU離脱合意に近づいていない。10月の合意期限に間に合わず、カーニー総裁は英ポンドの下降リスクを心配している。

結果的に、トレーダーは中銀が英ポンドを救うことを頼りにしていない。なぜなら、イギリス経済はEU離脱(ブレクジット)によって左右されることは明白だからだ。もし、イングランド銀行が英国経済の見通しついて下方修正したり、カーニー英中銀総裁がプレスコンファレンスで金融緩和について指し示したら、GBP/USD1.23まで下落し、EUR/GBP90セントに向かっていくだろう。

しかし、イングランド銀行は最近の経済指標の悪化について触れず、インフレの上昇に焦点を当てるのならば、英ポンドはショートカバーが進み、すぐさまトレンドが反転し、GBP/USD1.2850以上まで上昇するだろう。

イギリスポンド、経済指標と結果

●カナダドル、豪ドル、NZドル

最後に、3つの商品通貨はドルに対して下落している。予想より強かったカナダGDP は、 CADを支えることはできなかった。また、オーストラリアの CPIの微増や、ニュージーランド住宅許可件数が減っていることは、投資家が豪ドルNZドルを売る理由になるだろう。

弱気相場の中で、良い経済指標の影響は限定的な一方で、弱い経済指標は強く影響が出ている。オーストラリアのCPIの成長の予想は0.5%増であったが0.4%に留まり、 対前年比では2.1%から1.9%となる。ニュージーランドでは、住宅許可件数の減少は、企業信頼感の改善によって相殺されると考えられる。これらの経済指標や、悪い中国の経済指標が、豪ドルやNZドルの回復を拒むだろう。

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