先週の米国株式市場の急落で、景気後退の懸念が再浮上している。また、先週末に米国債利回りは逆転し、世界経済の低迷の兆候となる可能性がある。
先週金曜日では、3ヶ月物と10年物の米国債利回りが逆転した上に、 S&P 500は1月以来最大の下げ幅を記録し、 ダウ平均は459ポイント安となった。
この米国の兆候は、昨年末からの米国市場の回復に疑問が上がる。このようなマクロ的な懸念がある中で、以下に今週動きがありそうな注目の3銘柄をあげる。
1. アップル
アップル(Apple) (NASDAQ:AAPL)は3月25日に新製品発表会を控えており、同株価は上昇基調である。iPhoneの売上見通しが下方修正される中で、アップルは投資家に対しサプライズを用意しているという期待があがっている。
過去1ヶ月では、アップル株は10%以上回復し191ドルまで回復した。2018年の10月では最高値233.47ドルを打った。
アップルで噂されているのは、ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)のようなビデオストリーミング事業である。アップルの25日の新製品発表会では、このようなビデオストリーミングやニュースサブスクリプションが、他の競合他社とどのような差別化されているかが注目されている。
ブルームバーグの先月の報道によると、このビデオサービスはアマゾン(NASDAQ:AMZN)のプライム・ビデオや、ネットフリックスに類似しており、コンテンツにはアップルが買収または出資しているテレビや映画などが含まれるという。
このような投資家の楽観視にも関わらず、我々はアップルのビデオストリーミングサービスが短期的に成功するとは考えていない。ビデオストリーミング市場は加熱しているが、ネットフリックスのドミナンスはなかなか奪えるものではないと考えられる。
2. クロノス グループ
カナダに拠点を置くクロノス・グループ(NASDAQ:CRON)は、医療用マリファナに投資している。そして、同社株の45%をマルボロで有名なタバコメーカーのアルトリア・グルーブが保有している。クロノス・グループの第4四半期の決算報告は25日の市場開始前に予定されている。
カナダでは昨年マリファナが合法化され、マリファナの主要企業は投資家の注目を集めている。医療用・娯楽用ともに需要が増加する中で適切なマーケティング戦略を打ち、売上高が拡大するとともに、これらの成長株のバリュエーションは正当化されるだろう。
医療マリファナや、カンナビスオイルを製造しているクロノスは、昨年以来85%以上上昇しており、先週金曜日の終値は19.23ドルである。第4四半期決算の市場予想では、EPSは1セントの赤字、売上高は500%増加し778万カナダドルとみられている。
アルトリアは昨年12月に18億ドルでクロノスの株を買い占めた。クロノスのCEOのMichael Gorenstein氏は、両社の強みを活かしてヴェポライザー(蒸留器)を製作できると語る。ヴェポライザーは、合法化されたカリフォルニア州やコロラド州で最も成長している製品であり、ヴェポライザーは両社にとって優先度が高い製品となっている。
3. フット・ロッカー
スポーツアパレルチェーンのフット・ロッカー (NYSE:FL) は、アナリスト向けIRミーティングを3月28日に控えている。今月始めの 決算報告ではアナリスト予想の既存店売上高や、利益を上回った後で、このIRミーティングでは消費者の動向へ洞察を与えるものになるだろう。
同社は米国最大のスポーツシューズチェーンであり、同社の消費者需要動向は他の小売業への影響も考えられる。先週金曜日にナイキ (NYSE:NKE)の決算では 市場予想を下回り、同社株は6%以上下落した。
対象的に、先週のフット・ロッカーの株の終値は56.91ドルであり、過去3ヶ月で17%の上昇である。同社の3月1日に発表された第4四半期の既存店売上高は、9.7%増加しており、これはアナリスト予想の2倍にあたる。EPSは1.56ドルであり、予想の1.40ドルを上回っていた。