※この記事は2019年5月23日5時18分(GMT)に投稿されたものです。
石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟国による共同閣僚監視委員会(JMMC)は19日、サウジのジッダで会合を開いた。ウィーンで開かれる6月のOPEC定時総会においても年内の減産合意を維持することが示唆された。
しかしながら、最大のニュースは定時総会の日程が6月25日から7月第1週に繰り上げられる可能性があることだ。
定時総会は7月3、4日に開催される見通し。これは米独立記念日と重複しており、米国市場が休場する日程となる。
ツイート一つで原油価格を動かしてしまうトランプ米大統領もこの日は定時総会の報道を注視するだろう。
一方で、ノバク露エネルギー相のスケジュールに合わせて定時総会が7月に開催されるという見方もある。
欧州やアジアで7月に夏季休暇が取られることが多く、その間は取引量が減少する。
しかしながら、トランプ米大統領に関しては休暇中にツイッターや原油価格についてより活発に発言することが知られている。
減産延長により原油価格が上昇すると判断すれば、同大統領はOPECプラスに減産取りやめを要請するだろう。
定時総会における最大の懸念事項は、サウジがイラン産原油の穴埋めをすべく生産を拡大するというトランプ大統領の主張を非加盟産油国が信用するか否かという点である。
トランプ大統領はイラン産原油全面禁輸を発表して以来、サウジが穴埋めを行うことを強調して原油市場を落ち着かせようとしてきた。
サウジは他のOPEC諸国に対し米国と個別に合意を行っていないこと、および原油生産量がOPEC合意基準内に収まっていることを示してきた。
しかし、これは今後の会合で大きな争点になるだろう。
サウジが米国を満足させるべく原油を増産すると見込まれれば、他のOPEC諸国にとっても減産合意を守る理由がなくなる。
これは米国側に直接影響するだろう。減産合意が無視される場合は、米国の原油需要が高まる夏季に原油価格が下落すると考えられるためだ。