今週は豪ドルにとって重要な局面になるだろう。
オーストラリアの小売売上高、PMI、貿易収支、第1四半期GDPといった主要な経済指標が続々と発表される。
これらの指標はもちろん重要だが、最も影響力が大きいのは4日午後1時30分の政策金利発表だ。
豪準銀は記録的な低水準となる1.25%まで利下げするとみられ、7~8月にさらなる金融緩和策を取る見通し。追記:予想通り1.25%まで利下げが行われた。
米中関係は急速に冷え込んでいるが、豪国内指標は悪化していない。
前回の政策金利発表以来、オーストラリアの小売売上高、MI期待インフレ率、NAB企業信頼感指数や住宅関連指標は軟調となった。一方で雇用者数、消費者信頼感指数、製造業PMIは好調だった。中国経済指標も上向いたものの、市場は疑いの目を向けている。
しかし、たとえ豪国内指標が好調であっても世界的な景気後退や中国からの需要減少をカバーすることはできない。
5月に国内経済が概ね順調だった際にも豪準備銀行は前向きな見通しを示さなかった。これは米中貿易協議が無事に合意を迎えるか見届けるためだった。
しかし両国の貿易摩擦はますます悪化している。
オーストラリアが米中貿易戦争に悪影響を受けることは確実だ。不況を避けるには金融緩和しか方法がない。
豪準備銀行が利下げやさらなる緩和策を取った場合は、売られすぎている豪ドル/米ドルが小幅高になり、ショートカバーでさらに値上がりする可能性がある。
今後の動向は経済指標に左右される。
もし豪準備銀行が利下げとさらなる金融緩和を決定するだけでなく、豪経済の底力と回復力を強調するならば、豪ドル価格は緩やかに上昇するだろう。
しかしながら利下げでより積極的な緩和サイクルが示唆されるならば、同ペアはより値を下げ、67セント台になる可能性もある。