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不況時に保有すべきディフェンシブ銘柄: マイクロソフト、P&G

発行済 2019-06-06 13:08
更新済 2020-09-02 15:05

最近の景気予想では景気後退という言葉が頻繁に使われるようになった。エコノミストがこの言葉を使うのには理由がある。米国の景気拡大が今月で10年間続いており、それに伴ってリスクも高まっている。

最も警戒すべきは、中国やメキシコとの貿易摩擦が長期化する懸念により、企業や消費者の支出額が減少することである。そしてこのことからFRBは利下げを行い、資産価格の高騰を招くことが予想される。

ドナルド・トランプ米大統領が3000億ドル相当の中国製品に対して25%の追加関税を課し、中国政府もそれに対して報復する場合、9ヶ月以内に世界経済の後退が始まるとモルガン・スタンレー (NYSE:MS)と JPモルガン・チェース (NYSE:JPM)は予想している。また、2019年の下半期に米国が景気後退に陥る可能性は、1ヶ月前の25%から40%に上昇したとそれぞれ述べた。

これらの予想は信憑性が高く、12か月以内に不況に陥る可能性を考慮すると、ディフェンシブ銘柄に目を当てるべきであろう。以下が保有すべきディフェンシブ銘柄2つである。

1.マイクロソフト

マイクロソフトは長期投資する際に無視できない銘柄の1つである。同社はどれだけ景気が悪くても配当を払い続けることが出来る。

多くの投資家はマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)を景気動向に左右されやすい純粋なテクノロジー銘柄であると考えている。しかし、我々の見解では、同社はキャッシュインを維持するために保有すべきディフェンシブ銘柄である。

同社はデスクトップパソコンのOS市場において82%のシェアを獲得している。また、何百万人ものサブスクリプション契約があるオフィスは今後も収益源であり続けると考えられる。前年度において、これら2つのサービスは同社の売上高の半分以上を占めていた。

マイクロソフトは、自社のビジネスを堅調に続け、今後も配当を払い続ける能力がある。不安定な市場環境において、多くのテック企業が下落した際にもマイクロソフトは高値圏を維持することが考えられる。同株は年初来で21%高、過去10年間で464%高となっている。

Microsoft price chart

投資家還元という観点において、マイクロソフトは素晴らしい実績を持っている。初めての配当の2004年以来、同社の配当は5倍近い水準まで増配されている。同社の配当成長は、低い配当性向と強いビジネスに下支えされている。

同社の配当利回りは1.46%であり、四半期に一株あたり0.46ドルの配当を支払っている。配当利回りは低く見えるかもしれないが、さらに上昇することが考えられる。過去5年間の同株のリターンは配当を含めて200%に達している。

テクノロジーセクターで安全な銘柄に投資したいのであれば、マイクロソフトは最適な選択肢の1つである。

2.P&G

P&G(NYSE:PG)はほとんど注目を浴びる機会のない銘柄の1つである。しかし、マイクロソフトと同様に、P&Gは優れたディフェンシブ銘柄である。

同社は消費財セクターにおいて、最も配当を支払う企業の1つであり、62年間連続で増配してきた。同社は過去128年間に渡って、戦争や不況時であっても一度も配当を中断したことがない。

現在の配当利回りは2.9%となっており、四半期ごとに1株あたり0.74ドルの配当が支払われる。同株は景気動向に左右されるのを避けるために、ポートフォリオに組み込むべき銘柄となっている。

P&Gを保有するメリットとして、株式市場が不安定な時期には消費財銘柄がアウトパフォームするということも挙げられる。先月、ボラティリティが上昇した際、同株はS&P 500をアウトパフォームしていた。同株は過去10年間で96%高となっており、年初来で15%高となっている。

P&G price chart

総括

マイクロソフトやP&Gのような銘柄は好況時も不況時にも保有すべき銘柄である。両社はサブスクリプションビジネスを確立しており、投資家還元を積極的に行ってきた過去がある。両銘柄を保有する場合、不況時にパニックになって売りに走ることもなくなるだろう。

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