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今週注目の3銘柄:フェデックス、マイクロン・テクノロジー、ナイキ

発行済 2019-06-24 18:32
更新済 2020-09-02 15:05

22年間の米国株式市場で最高の半年間のパフォーマンスを記録しそうにある中、今週のイベントが下半期の行方を占う事になりそうだ。とりわけ注目されるのが、28日から日本において開催されるG20サミットだ。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会合し、両国間の貿易の今後について話し合うことが予定されている。

先週の市場は、経済成長の鈍化や中東の地政学的緊張の高まり等潜在的なリスクをさておき、米中間会合から最も良いシナリオを期待しているかのような値上がりを見せた。21日時点でS&P 500は、半年という期間では1997年以来初となる17%高を超えるパフォーマンスで上半期を終えようとしており、この半年間で一時19.4%高を記録している。

一方で、週末までに貿易関連で悪材料が出現すればこの高いパフォーマンスもすぐに吹き飛びうる。米中間貿易交渉に一斉に注目が集まる中、以下の3銘柄も4半期決算を控えており要注目だ。

1. フェデックス

世界最大の運送会社であるフェデックス(FedEx) (NYSE:FDX)は6月25日の市場引け後に第4四半期決算(3-5月期)を発表する。米中貿易摩擦と世界経済の減速により打撃を受けているのではという懸念が募る中での発表となる。

FDX 週足 2016-2019

市場予測平均では予想売上高は178.7億ドルで、予想修正EPSは4.91ドルである。今月初めに同社は、米国のファーウェイへの制裁措置に対する中国の報復として、その対象企業の筆頭候補である事が報じられていた。

中国の報復措置を中心に、直近では貿易問題がネガティブなカタリストとして働いているものの、同社はそれ以前から複数の問題を抱えている。

主に2つの問題が同社の成長を鈍化させている。1つは、世界的な需要の低下だ。特に、2016年にオランダを拠点とするTNTエクスプレス(TNT Express)を買収して以来注力してきた欧州での需要低下は、同社に痛手となっている。2つ目は、アマゾン(Amazon) (NASDAQ:AMZN)との競争激化だ。2社は米国内での配送契約更新を行っていない。フェデックス株は21日の終値が165.35ドルとなり、過去3年間で最低の水準で取引されている。

2. マイクロン・テクノロジー

半導体メーカーであるマイクロン・テクノロジー(Micron Technology) (NASDAQ:MU)は6月25日の市場引け後に第3四半期決算(3-5月期)を発表する。市場予測では予想売上高は47.5億ドルで、予想EPSが0.82ドルとなっている。

MU 週足 2016-2019

半導体セクターへの全体的な需要減、過剰在庫への対応、米中貿易戦争等、同社への逆風が吹き荒れているような状況だ。

3月に同社は、前四半期の売上高は48億ドルの前後2億ドルのレンジに収まる予測を発表していた。発表範囲の中央値を取ると、売上高は38%減少したことになる。同社は3-5月期の予想EPSを0.85ドルの前後0.1ドルのレンジに収まると予想していた。

同社の予定されている決算報告とカンファレンスコールは、半導体セクターの置かれている苦難と下半期の行方を知る上での材料になる。同社株は21日の終値が33.25ドルとなっており、過去3ヶ月で約25%安となっている。

3. ナイキ

スポーツウェアのナイキ(Nike) (NYSE:NKE)は6月28日の市場引け後に第4四半期決算(3-5月期)を発表する。市場予測では、予想売上高は101.7億ドルで、予想EPSは0.66ドルとなっている。

NKE 週足 2016-2019

同社株は5月に一時値下がりしたものの、米中貿易関係が最悪の状態にならず、同社の中国での成長は続いていくだろうとの期待から再び値上がりしている。

アジアは同社にとってますます重要なマーケットとなっている。12-2月期の売上高に占める中華圏の割合は24%増加し、19四半期連続での2桁成長となった。21日の終値は85.75ドルとなり、3月31日から約11%高となっている。

同社決算でもう一つ注目しなければならないのは、長らく悩みの種となっている北米での数字だ。2017年の大半、2018年前半、そして前四半期にも北米での売上高は市場予測を下回っている。

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