この1年間で、小型テック銘柄のロク(NASDAQ:ROKU)とShopify(NYSE:SHOP)は上昇を続けてきた。
2社の株価は過去1年間で100%以上上昇しており、貿易摩擦などのマクロ的な逆風をはねのけている。
何故この2銘柄はこれほどまで上昇したのだろうか。また、今後さらに上昇する余地はあるのだろうか。
ロク
2017年上場の米ロクは、ビデオストリーミング用機器の販売や、ストリーミングプラットフォームの提供を行っている。また、企業からの広告料で運営する独自のチャンネルを立ち上げている。
数年間に渡り、同社は一部のテレビに搭載されているストリーミングプラットフォームとして爆発的に成長を遂げてきた。ブルームバーグによると、アマゾンにおける米国のテレビ販売ランキングトップ20の内、10製品がロク対応機器である。
また、同社は「The Roku Channel」という企業からの広告料で運営する独自のチャンネルを無料で提供している。
2017年の上場以来、ロクの株価は激しく変動してきた。2018年の1月から9月の間で40%以上上昇したものの、年末には同程度下落した。そして2019年に同株価は3倍まで上昇し、テクノロジーセクターではアウトパフォームしている。
しかし、一部のアナリストは競争が激化するとの見方を示している。アップル(NASDAQ:AAPL)やアマゾン(NASDAQ:AMZN)は、ビデオストリーミング市場への進出を窺っている。
シティグループやグッゲンハイム・パートナーズのアナリストは、ロクが決算で少しでも予想を下回った場合、株価は大きく下落する可能性があると警鐘を鳴らしている。アナリスト予想では、今後12か月以内に同株は14%ほど下落すると見られている。
Shopyfy
カナダのECプラットフォームであるShopifyは、あらゆる批判を跳ね除けて成長している。同社のサービスによって、小規模な事業者であっても越境ECのネットショップを構築することができる。同株は過去12か月間の調整局面を抜け、力強く上昇している。
アマゾンが年初来で26%高となっているのに対し、同株は125%高でアウトパフォームしている。
Shopifyは小・中規模な事業者に対して、効果的にかつ低コストでネットショップの構築を提供している。同社はセキュリティやデータのバックアップ、決済処理などをサポートしており、事業者は本業に専念することができる。
6月にアマゾンと競合する配送センターに10億ドル投資することを発表し、株高の要因となっている。
では、どこまで上昇するのだろうか。アナリスト予想によると、今後1年間で現在の株価を約6%上回る319ドルまで上昇するとみられている。現在の同株は売上高の約28倍で取引されている。
ブルームバーグによると、過去2か月の間で、少なくとも5人のアナリストが同社への投資判断を格下げしている。「我々は今後12か月の上昇幅は限られていると見ている」と米ウェドブッシュのアナリストであるYgal Arounian氏は述べた。
総括
ロクやShopifyは長期投資家にとっては魅力的な銘柄と言えるが、短期的な投資には向かないだろう。アナリストの同株への評価に注意を払い、再び高い評価を得るまで待つべきである。
以上の要因から、この2銘柄がさらに上昇する余地は少ないと我々は見ている。