大麻セクターの今後に関する予測は大きく変わろうとしている。成長を続ける大麻市場は、もはや簡単に推測できないほどの規模となった。そこで今回はキャントラスト (TSX:TRST) (NYSE:CTST)に焦点を当てて市場の予測をしていきたいと思う。
同社は今月初め、拠点を置くオンタリオ州のペルハムにて無許可の大麻栽培を大規模に行っていたことがスクープされた。
無許可大麻栽培問題の波紋
今回のスクープによる影響は計り知れない。同社は売上を大きく落とすこととなり、欧州へ輸出する製品は検疫が行われるようになった。また大麻の認可機関であるカナダ保健省は正式な調査を開始し、内部調査を行うための特別委員会が組織された。
同社の時価総額は50.49%急落し、約5億カナダドル(3億8000万米ドル)もの損失を被ることとなった。
22日、同社は特別委員会についての声明を発表した。キャントラストの取締役会の一員であるロバート・マルコビッチ氏が議長を務める同委員会は、内部調査に加えて、今回の事件が同社の資産、在庫、売上高に与える影響も報告する任務を負っている。
投資を呼び戻すための奮闘も空しく
あまり詳細なことは語られなかったものの、声明では同社がカナダ保健省に対し不正栽培に関する報告を上げ、現在は回答待ちだということが明かされた。マルコビッチ議長は以下のように述べ、投資を呼び戻そうとしている。
「特別委員会は今回の問題を真摯に受け止め、カナダ保健省と共同で法令遵守を徹底させることを約束する。問題の解決には可及的速やかに取り組む所存だが、じっくりと徹底的な解決を図ることも重要だと考えている。我々は今回の不正の原因を突き止め、不正が行われた風土を是正し、信頼の回復を図ろうと決意している」
しかし声明も空しく、同社は株価の下落に大きく歯止めをかけることは出来なかった。同社の株価はその日、米国では1.44%、カナダでは1.66%下落している。
買収交渉
ブルームバーグの報道によれば、同社がライセンスの交付を待つ間、バンカーらは2大麻企業と同社の買収に関する予備交渉を行ったという。カナダ保健省の対応にもよるものの、買収が成立すれば同社はライセンスを失わずに済む可能性がある。しかし交渉が成立したという情報はまだ入ってきていない。
今の同社に魅力を感じる企業がどれほど存在するのかについては疑問が残るものの、誰が次の一手を打つのかについては注目が集まっている。
大麻セクターへの打撃
事件を受け先月、大麻大手は軒並み打撃を受け、株価は全面的に下落することとなった。
具体的にはまずケベックに拠点を置くHexo(TSX:HEXO) (NYSE:HEXO)は16.49%、続くキャノピー・グロース(TSX:WEED) (NYSE:CGC)は14.25%、アフリア(TSX:APHA) (NYSE:APHA)は10.2%、オーロラ・カンナビス(TSX:ACB) (NYSE:ACB) は8.81%、クロノス・グループ(TSX:CRON) (NASDAQ:CRON)は8.69%の下落を記録した。
しかし長期的な観点から評価すると、これらの企業は依然として大きな収益を上げている。以下が同銘柄の年初来パフォーマンスである。
クロノス・グル―プ:+33.73%
Hexo:+31.21%
オーロラ・カンナビス:+29.79%
グリーン・オーガニック・ダッチマン:+26.42%
キャノピー・グロース:+24.8%
アフリア:+3.18%