- 2019年第2四半期決算は7月31日の市場寄り付き前に発表
- 予想売上高:284.8億ドル
- 予想EPS:0.12ドル
本日は、ゼネラルエレクトリック (NYSE:GE)の第2四半期決算が控えている。しかし、同社の今回の決算は期待されてはいない。
過去2年間の不調の後で、最も今回の決算報告で注目されているのはキャッシュフローの改善と事業再編の進行度である。
GEは3月、今年の工業部門のフリーキャッシュフローが最大20億ドルの赤字となる見通しを発表したが、同CEOはフリーキャッシュフローを「大幅に改善」するとしていた。
コスト削減のため、昨年には堅実だった配当金を0.01ドルへ大幅減配すると発表している。そしてラリー・カルプCEOを迎え、大規模資産売却プログラムをスタートさせた。
株価を見てみると、カルプが投資家の信頼を回復するまでには長い道のりがあることを示唆している。カルプCEOが就任後、同社株価は20%以上の上昇を見せたが。現在では就任した日から約4%安となっている。
発電機事業の不調
カルプCEOにとって最大の課題は、キャッシュフローが毎日数百万ドルもの赤字となっているGEの電力部門を再編することである。昨年の同部門は8億ドルの赤字であった。GEの270億ドルの売上高の内、同部門は最大の割合を占めるが、投資家からの評価は最悪であろう。さらなる悪材料としては、GEは米証券取引委員会(SEC)から贈収賄の疑いで調査を受けている。
ウォール街のアナリストは、GEに対する悲観的な見方を変えてはいない。そのアナリストの一人として、GE予想に評価が高いJPモルガンのStephen Tusa氏もいる。
Tusa氏は、クライアントに向けたレポートの中で、もしGEが市場予想を上回ったとしてもGE株を買うことを避けるようにアドバイスしていた。
同氏はGEの市場予想を上回るキャッシュフローの改善は見込まれるが、同社株を押し上げる材料はなくなっていくとしている。
「我々は、18年第4四半期でキャッシュフローが市場予想を上回ったにもかかわらず、キャッシュフローの見通しは約30%減とされたことと同じ現象がみられると考える」
同氏にとって、GEのキャッシュフロー改善の見通しは現実的でないと語る。同社の金融サービス部門のキャッシュフローの赤字が続くのに加え、景気後退の影響を大きく考慮していないからである。
総括
GEの事業再編は道半ばであり、良い成果はまだ見られない。これは、同社株価が今後も底値圏で推移することを意味するだろう。リスク選好度が高い投資家にとっては、エントリーポイントとして考えるかもしれない。しかし、カルプCEOのリーダーシップを見極める必要がある。我々は現時点では、GE株に対しては「中立」とする。