カナダの大麻企業クロノス・グループ (NASDAQ:CRON)(TSX:CRON)の株価は先週2日、レッドウッド・ホールディング・グループの子会社4社を3億ドルで買収する最終合意に突入したと報じられ、約8.5%高となった。 また8月8日に四半期決算報告が予定され、株価が更に変動する可能性がある。
CBD製品を「ロード・ジョーンズ(Lord Jones™)」のブランド名で製造・販売するレッドウッド子会社の買収は、CBD市場に専念する同社にとって戦略的な一手だ。「ロード・ジョーンズ(Lord Jones™)」は、CBD由来のスキンクリーム・入浴用品・ガムドロップ等を米国内で展開している。CBD(カンナビジオール)は麻から抽出され、関節炎・偏頭痛・心的ストレスを緩和する治療効果があると言われており、所謂“ハイ”の状態になることはない。
米国CBD市場進出への最初の一歩
連邦政府が2018年12月にヘンプ育成を合法化する農業法案を可決したことから、米国におけるCBD市場は2019年に入り急速に拡大した。ヘンプもマリファナも大麻の一種だが、ヘンプは精神活性効果を有するテトラヒドロカンナビノール(THC)含有量が微量に留まる。ヘンプはまたCBD含有量が高く、 生命力も強く屋外での栽培に適している。
レッドウッドの現金及び株式対価による買収は、クロノスグループが世界中のCBD市場での支配的なプレーヤーを目指す計画の一環だ。同社は今年初めに米タバコ大手アルトリアグループ (NYSE:MO)から18億ドルの出資を受け、米国市場へアプローチを開始している。向こう5年間で米国CBDの市場規模は200~240億ドルになる見込みだ。
5日、カナダ市場は祝日で休場していたが、ナスダックに上場するクロノス株は3%安となった。同社はカナダで3番目に大きい大麻企業で、時価総額は46.3億米ドル(61.2億加ドル)となっている。同社株価は同セクター内でも特に高いパフォーマンスを誇っており、前年同期比136%高となっている。
大麻セクターはここ数ヶ月明るい話題が少ないが、今週に予定されるクロノス決算報告は同社がこの勢いを更に維持していけるかを判断するため注目が集まっている。
アフリアは利益を創出
大麻セクターで決算報告の話題になれば、利益率に関する議論は避けられない。もちろん誕生間もなく成長を続けるこの産業では、議論はいつ利益が創出されるのかという問いに収斂する。その手の議論は、先週アフリア(TSX:APHA)/(NYSE:APHA)が第4四半期決算報告を行い、予想を超える利益と前年比969%増となる驚異的な売上高を計上したことから、再び活発化した。
同社四半期売上高(3-5月期)は、前四半期比75%増・前年比969%増の9741万米ドル(1576万加ドル)で、純利益は1194万米ドル(1576万加ドル)となっている。
アフリア株は先週2日急伸し、ナスダックでは42%高、S&P トロント総合では40%高となり、終値は7.32米ドル(9.67加ドル)となった。5日には下落しており、ナスダックでの終値は4.4%安の7.01ドルであった。
同社決算により大麻セクター投資家の他社への期待が高まっており、利益創出までのタイミングを早めるプレッシャーが働いている。