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ボーイング株、今こそ定額購入を始める時か?

発行済 2019-08-20 17:29
更新済 2023-07-09 19:31
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ライオン・エアのボーイング737MAX墜落事故が発生してから僅か5ヶ月後、エチオピア航空の同型機が墜落するという事故が発生した。ボーイング (NYSE:BA)は2つの事故により生じた莫大な損失に悪戦苦闘している。

今週初め、同社の7月納入量が過去10年で最小となったというニュースが報道された。この報道により同社は再び注目の的となったが、残念なことに今回の一件は単発的なものではないと考えられる。

同社は今年258機の飛行機を納入しているが、これは前年同期に納入した417機よりも約40%も少ない数字だ。また7月時点で、同社は5ヶ月連続で新規注文を受注していないことが判明している。

BA 日足

加えて、同社株は約5ヶ月半前に446ドルを記録して以降、26%も下落している。19日には333.82ドルで終値を迎えた。

ただ我々はこれら2回の事故を考慮に入れた上で、同社の見通しは依然として明るいという考えを持っている。そもそも、ボーイングが墜落事故や安全上の問題を経験したのは今回が初めてではない。以前同じような状況に陥った際には、飛行機の安全性を向上させ、悪評を打ち払うことに成功している。

もう1つの理由として、航空機市場が同社とフランスの航空機メーカーであるエアバス(PA:AIR)の複占状態にあることが挙げられる。また同社が軍事面での貢献から米国政府より補助金を受け取っていることも同社にとっては追い風となっている。

また、航空旅行の市場規模は2037年までに2倍になると予想されている。その上、ボーイングは他モデルの受注が3900億ドル相当まだ残っている。これらの要素を踏まえると、ボーイングは長期投資の対象として魅力的な銘柄であるように感じられる。

では同社株が下押し圧力を受けている理由は何なのだろうか。またロングするのに最適な時期はいつなのだろうか。

同社の復活のカギとなるのは737MAXだろう。ボーイングは当初問題となったソフトウェアの修正を4月に完了する予定だったが、規制当局により懸念を表明されたことを受け6月にまで延長された。737MAXの再飛行が承認されるのは早くても第4四半期となるだろう。ただこの予想は楽観的すぎるとも指摘されている。

737MAXが使用不能である期間が長引くほど、ボーイングの潜在的な金融負債は大きいものとなる。現在400機の737MAXが使用不能となっている中で、同社は既に顧客への補償に追われている。実際航空会社への補償として同社は50億ドルを割り当てている。

また問題解決まで新しく製造した737MAXが納入できないため、増加する維持コストも負債となってしまっている。

こういった要因を踏まえると、ボーイングの短期的な見通しは前途多難なものであるように感じられる。原則として、バランスシートにおける在庫の拡大は、需要が減速している場合、不安要素として扱われる。ただ737MAXの注文数は現在5000を超えているため、飛行の禁止が解かれれば、在庫は全て処理することが出来る。そうすれば航空機メーカーとして再び独占的地位を確立することもできるだろう。

新規注文がなくなっていることは、理にかなっていると言えなくもない。航空会社はソフトウェアの修正が有効なものであるかを確認するまでを資本の投入をしないと考えられるからである。実際、737MAXの注文をキャンセルしたのは、サウジアラビアのLCCフライアディールのみである。737MAXの飛行が再開されれば、新規注文が入りはじめることは間違いないだろう。

またボーイングの50億ドルという補償額も、大きな問題ではない。同社が現金にて補償を行うとは考えにくいからだ。

恐らくボーイングは将来の購入における割引で補償を行うだろう。また、同社は昨年130億ドルのキャッシュフローを生み出し、100億ドル相当の現金を自由に扱える状況にある。その上、60億ドル以上の有価証券を保有している。

前期では、737MAXの納入数は減少したものの、787、767、軍用機の納入は影響を受けていない。737MAXの運用禁止が来年にまで続いたとしても、同社は財政面において安定しているため、今回の一時的な混乱を無事乗り切ることが出来るだろう。

それではボーイング株をロングする適切な時期は一体いつなのだろうか。現在同社株は割安となっている状況だが、いつ上昇するかについては不明なため、ドルコスト平均法を用いるのが適切であると思われる。737MAXの飛行再開は早くても10月であり、これからも株価の下落は続くと考えられるため、一括投資をすることには大きな下振れリスクを伴う。

株価に関係なく定額量の株を定期的に購入することにより、市場を分析する必要がなくなる。また底値で購入するアドバンテージを保ったまま、下振れのリスクを抑えることも可能となる。

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