ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)は、過去10年間で3726.2%高となっている。
しかし、今後も大きく値上がりするとは限らない。競合が増えていく中で、今後の同社の成長は不透明である。
先月、ウォルト・ディズニー (NYSE:DIS)とアップル (NASDAQ:AAPL)は、動画ストリーミングサービスを開始した。また、来年にはAT&T(NYSE:T)がストリーミングサービスの「HBO Max」、コムキャスト (NASDAQ:CMCSA)は「ピーコック」を開始予定である。
競争の激化によって、顧客の流出や価格競争に巻き込まれることが予想される。例えば、ディズニープラスは月額6.99ドルとなっており、ネットフリックスの月額12.99ドルを大きく下回る。
ネットフリックスを取り巻く競争環境が急速に変化する中で、同社の株価は7月以来で約16%安となっている。
最新の四半期決算では、グローバル市場においては同社に先駆者利益があることが窺える。
同社は米国以外の加入者と収益の詳細な情報を初めて公表し、世界市場の拡大によって北米における成長鈍化を補うことができると報告した。
世界市場における爆発的な成長
2017年3月31日から2019年9月30日の間の、欧州や中東、アフリカ地域におけるネットフリックスの加入者数は、約140%増となった。
また、同時期のラテンアメリカ地域における加入者数は1540万人から2940万人となり、収益も2倍以上増加して約20億ドルとなった。さらに、同時期のアジア太平洋地域における加入者数は470万人から1450万人となり、収益も1億1600万ドルから10億ドルまで増加した。
このような情報公開を公開する意図として、北米市場における競争激化の懸念を緩和することが考えられる。しかしながら、北米市場における同社の成長鈍化は、あまりに顕著である。
決算報告によると、北米市場は依然として収益の大半を占めており、加入者当たりの平均月間収益が最も高い市場となっている。
加入者数を世界的に増加させるために、同社はローカルコンテンツの制作に注力している。各地域の加入者数の伸びを見る限り、この戦略は功を奏していると言える。多くのアナリストは、依然としてネットフリックスに対して強気な見通しを示している。
ネットフリックスは年初来で、コンテンツ制作に150億ドル支出している。ローカルコンテンツをより拡充する場合、支出額はさらに増加することが予想される。
同社CEOのリード・ヘイスティングス氏は先月「我々は莫大な額をコンテンツ制作に費やすつもりである」と述べた。また、「我々は世界中で投資しており、成長を持続している」と語った。しかし、莫大な額の投資のためには資金調達の必要があり、リスクを孕んでいる。
シティ・グループのアナリストであるJason Bazinet氏は、競争が激化する中で、ネットフリックスはコンテンツ制作にさらに投資する必要があり、アナリストは加入者数予想を下方修正する必要があると述べた。同社が投資を加速させた場合、利益は減少し、株価は下落することが予想される。また、加入者数の減少もまた、株価を下押しするだろう。
総括
ネットフリックスの株価は過去10年間、力強く上昇してきた。しかし、競争の激化やコストの増加、北米市場の飽和を考えると、過去10年間のように株価が伸びるとは考えにくい。