・1月23日の寄付き前に2020年第2四半期(10‐12月期)決算報告
・予想売上高:184.2億ドル
・予想EPS:1.37ドル
米プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE:PG)は2019年、株価が最高値を記録した。P&Gは5四半期連続で成長を続けている。
同社の第2四半期決算では、好調な結果が見込まれている。アナリスト予想によると、売上高は184億2000万ドル、EPSが1.37ドルとなっている。
好調な決算への期待感から、17日の同株は最高値である127ドルを記録した。同株は2019年に38%高となり、21日の終値は126.09ドルとなっている。
同社はイノベーションやマーケティング、簡素化された組織体制などにより、過去2年間に渡って継続的に売上を拡大している。
第1四半期決算では、M&Aや為替変動を除くオーガニックグロースが7%増となり、第4四半期から引き続き堅調な業績の伸びを示した。
しかし、競争が激しく利益率の低い消費財メーカーにおいて、同社のような高い成長率は非常に珍しい。したがって、高い成長率を今後も維持できるとは限らない。
他方、競合他社のキンバリークラーク (NYSE:KMB)のオーガニックグロースは4%、レキットベンキーザー (LON:RB)のオーガニックグロースは1.6%となっている。
高すぎる株価
このような懸念から、一部の投資家はP&Gの高すぎる株価に対して疑問を呈する一方、さらに値を上げる可能性がある。
同社の過去5年間における平均PERが約20倍であるのに対し、現在の予想PERは24倍となっている。過去10年間、同社の株価がこれほどまで割高であったことはない。
我々の考えでは、PERでは同社の将来性を正確に捉えられない。株高の背景として、変化する消費者ニーズへの対応や競合他社の一歩先を行く経営などが挙げられる。
デイビッド・テイラーCEOの下、P&Gはブランドポートフォリオを175から65まで削減し、利益率の高い10の製品カテゴリーへ焦点を絞っている。この取り組みの中で、同社は製品ブランドの売買や工場の閉鎖、34000人のリストラなどによって、100億ドル以上のコスト削減に成功した。
このような取り組みを受け、同社は製品の値上げに取り組んでいる。パンパースやバウンティ、チャーミン、パフスなどのブランドで4~10%の値上げが、2月までに完了する見込みである。
総括
消費財メーカーの中でも、P&Gはお勧めできる。株主還元にも積極的に取り組んでおり、年間配当額が2.88ドル、配当利回りが2.36%となっている。
同社は62年連続で増配となっている。同社が堅調な業績を示す中、大幅な増配が期待できる。株価が値下がりした場合でも、保有し続けて損はないだろう。