今回は、香港経済日報から発表された20年7ー9月期の推奨10銘柄を見ていきましょう。
『香港経済日報』は6月29日、2020年7-9月期の「必勝株」10銘柄を発表しました。
新型コロナウイルスの流行を受けた「在家経済(ホームエコノミー)」や加重議決権(WVR)構造を持つ企業の指数構成銘柄への採用などが「新経済(ニューエコノミー)」銘柄にとって追い風になるとしています。
推奨10銘柄
「新経済」
株価指数を運営するハンセン・インデックシズが5月、香港市場にセカンダリー上場する企業をハンセン指数と中国企業指数の採用対象にすると発表しており、8月の構成銘柄見直しで複数の「新経済」銘柄が採用される可能性があると指摘しています。
そのなかでもアリババ・グループ (NYSE:BABA)や美団点評(03690)などの可能性が高いと予想されています。
また、テンセント (HK:0700)は「在家経済」のコンセプト銘柄であり、投入するモバイルゲームは絶好調です。
具体的な選定銘柄は以下のとおり。
テンセント(00700)
時価総額でアリババ集団超え、証券各社の強気見通し相次いでいます。
対話アプリ「微信(海外ではWeChat)」やポータルサイト「QQ.com」を基盤にゲームやスマホ決済、動画配信などを展開しています。
19年6月末時点の月間利用者は微信が11億3270万人、インスタントメッセンジャー「QQ」が8億790万人、有料付加価値サービス(VAS)登録者は1億6890万人。
出資先は700社以上で、テンセント・ミュージック・エンターテインメント (TME)など60社余りが上場している。
アリババ集団(09988)
今年8月の銘柄見直しでハンセン指数への採用可能性が出てきています。
中国でネット通販事業を手掛けています。
CtoCの「淘宝網(タオバオ)」、BtoCの「天猫(Tモール)」が中核で、BtoBの卸売サイトや国際事業のBtoC通販サイト、東南アジアのネット通販サイト「ラザダ」などを運営しています。
グループでスマホ決済の「支付宝(アリペイ)」も展開している。
M&Aやスタートアップ企業への出資にも積極的で、SNSの「ウェイボー」に出資し、越境ネット通販の「考拉」を買収した。
動画サイトの「優酷」、音楽配信の「阿里音楽」、ネット出前の「餓了麼」なども展開。
クラウド事業ではアジア最大手クラス。
美団点評(03690)
シェア自転車や配車サービスなど新規事業の成長余地があります。
外食店や旅行代理店などの事業者と消費者を結ぶ電子商取引プラットフォームを運営しています。
スマホアプリを通じて提供するサービスが中核。
15年にネット出前の「美団」と口コミサイトの「大衆点評」が合併。
18年4月にシェア自転車の摩拝単車(モバイク)を傘下に収めています。
テンセント(00700)が大株主として資本参加する。
普通株より議決権が多い種類株式を発行する企業の香港上場第2号。
香港証券取引所(00388)
中国概念株(チャイナ・コンセプト・ストック)の回帰で勝ち組!
香港聯合交易所有限公司(証券取引所)、香港期貨交易所有限公司(先物取引所)、香港中央結算有限公司(決済機構)の合併で発足。
現物市場、デリバティブ、決済、市場データの主力事業に、12年に買収したロンドン金属取引所(LME)の運営が加わった。
19年6月末の上場企業数は2382社(メインボード1996社、GEM386社)。
上場企業の時価総額は32兆7300億HKドルで、19年9月にロンドン証取(LSE)グループに全面買収を提案したが賛同を得られず断念。
サンズ・チャイナ(01928)
新型コロナからの回復の遅れに対応できる財務力が魅力。
マカオでカジノ、ホテル、ショッピングモールの運営を手掛ける。
米ラスベガス・サンズの傘下で、04年に「サンズ・マカオ」を半島部にオープン。
07年に「ベネチアン・マカオ」、12年に「コタイ・セントラル」、16年に「パリジャン・マカオ」をコタイ地区に開業した。
18年のカジノ市場シェアは23%で1位。
テーブルが1685台、スロットが4274台で、ホテル客室数は1万2018室(18年末)。
碧桂園服務(06098)
親会社の販売回復で恩恵を見込める。
碧桂園(02007)から分離し、香港市場に上場。
中国で手掛ける不動産管理サービスが主力事業で、中国指数研究院がまとめたランキングでは総合力で国内3位(18年版)。
28省・直轄市の約240都市でマンションなどの集合住宅を中心に440の不動産物件を管理する(17年末時点)。
不動産のセキュリティー、清掃、庭の手入れ、保守・修繕などに加え、買い物代行やハウスキーピングなどの個別サービスも提供しています。
不動産開発会社や管理会社向けのコンサルティングも手掛ける。
微創医療科学(00853)
医療器械製品の積極展開で伸び代あり。
人工関節など整形外科用器具と、薬剤溶出ステントなどの心血管用器具の製造・販売が主力事業。
血管インターベンション治療や電気生理学検査の機器、外科手術管理、糖尿病看護なども手掛ける。
製品は中国国内のほか、日本や欧米向けに販売する。
筆頭株主は大塚ホールディングスの100%子会社である大塚メディカルデバイス。
康希諾生物(06185)
近く新型コロナのワクチン開発でフェーズ2の結果公表が期待される。
中国でワクチンの開発を手掛ける。
19年3月時点で15種類のワクチンを開発中で、エボラウイルスを対象とするワクチンでは中国で初めて承認を受けた。
このほか髄膜炎菌ワクチンのうちの1種が承認手続きに入ったほか、別のワクチンが臨床試験の第3相に入るなど商用化に近づいている。
本社を置く天津に生産機能を持つが、19年3月時点で量産は始まっていない。
香港証取が進めるバイオ企業の上場要件緩和の適用対象になっています。
中信建投証券(06066)
中国本土の資本市場改革で勝ち組になる?
投資銀行業務が主力で、国内証券業界では営業収益ベースで6位(16年6月中間期)。
株式や債券の引き受け、助言業務、企業合併・買収(M&A)の仲介、企業リストラ、店頭市場ビジネスといった投資銀行業務では中国国内トップクラス。
資産管理業務では投資の助言、売買の仲介などを提供し、ミューチュアル・ファンドの取り扱い本数は首位。
北京を中心に302の証券支店を展開(17年末)。
北京市傘下の資産運用会社、北京国有資本経営管理中心と国務院傘下の中央匯金投資有限責任公司が大株主で、中信証券(06030)も出資している。
18年は105件の新規株式公開(IPO)で幹事となった。
SPDRゴールド・トラスト(02840)
米国の景気対策で金価格上昇か?
金地金価格(ロンドン金値決め)に連動する。
分配金の支払いは基本的に行わない。
運用会社はWorld Gold Trust Services, LLC。
まとめ
今回は、【香港経済日報発表:必勝株】20年7-9月期の推奨10銘柄について見てきました。
もちろんのように、必勝株10銘柄を買ったとしても、儲かる保証はありません。
注目すべきは、世界中がコロナで混乱しているときに、どのような業種とどのようなサービス内容で伸びが見込まれているか?ということです。
この点に注目して、日系の企業や、アメリカ系企業の銘柄探しにも役立ててもらいたいと思います。
少しでもあなたの投資にプラスになりますように。