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オミクロン株による市場ボラティリティは高いままだが、Apple株は依然買いどきか?

発行済 2021-12-06 17:18
更新済 2020-09-02 15:05

オミクロン株の出現によって、株式市場のボラティリティは非常に高まっている中、その他多くの株と異なり、Apple (NASDAQ:AAPL)の株価は概ね堅調に推移している。

AAPL Weekly TTM

グロース株から投資家は資金を引き上げていることから、その他のハイテク株は下落圧力に晒されているが、アップル株はレジリエンスを示している。ハイテク株の構成比率が高いNASDAQ 100指数が過去2週間で6%以上低下した中、同社株価は堅調に推移している。

グローバルでのサプライ・チェーンの停滞による影響を受け、重要なホリデー・シーズンを前にハードウェアの製造が需要に追いついていないという問題に直面している中で、アウトパフォームしていることは特筆に値する。

グローバルでのサプライ・チェーンの問題の他、同社は供給業者に対して、主力製品のiPhoneの需要は減速していると伝えている。すでに2021年におけるiPhone 13の製造目標を9000万台から1000万台ほど引き下げたが、今後も注文分の製造が実現しない可能性があると、 Bloombergのレポートは伝えている。同社CEOのTim Cook氏は当四半期の収益は成長すると期待するが、それでもサプライ・チェーンの停滞によって、収益は60億ドルほど下がるとみている。

軟調な需要に加えて、オミクロン株の出現による先行き不透明感も高まっているが、今のところ、様子見姿勢の投資家が期待しているような調整局面を迎えていない。これは投資家がApple株を安全な逃避先であると考えており、その他の株よりも経済ショック時も堅調に推移すると期待しているからかもしれない。同社のバランス・シートは非常に堅固で、手元流動性は2000億ドルにも上る。

同社の将来的な成長に関しては憶測が飛び交っているが、多くの事業は堅固な収益を創出し続けている。前回の決算発表では売上が810億ドルと前四半期対比36%増加したと発表した。 

 

同社の中核商品であるiPhoneの売上は50%成長しており、サプライ・チェーンの停滞はあるものの、5G対応モデルによる追い風を受けて、当事業は新たな成長サイクルに入ったとみることができる。またウェアラブル端末、家庭用機器、アクセサリーも36%成長している。これらの商品にはApple Watch、AirPods、Apple TV、HomePodなど様々な機器が挙げられる。

アップル・カー、アップル・グラス、そしてヘッド・セット

NeedhamのアナリストであるLaura Martin氏はCNBCとのインタビューで、経済が減速しているときでも堅調に推移することなどを背景に、投資家はAppleの株価が下落する局面では押し目買いが入っていると話した。

また、同氏はAppleが成長を加速させるような新商品の発表を控えていると付け加えている。

「過去5年間における同社への批判は、目新しい商品の発表がなかったことだ。製品パイプラインをみると、ワクワクしてくる。特に拡張現実(AR)を体験できるメガネ型機器をApple社が6月に次回開催予定の世界開発会議(WWDC)で発表することになるだろう」と新商品の発表を期待している。

また将来的には自動運転車の分野にも参入するとみられ、投資家の注目を集める好材料となっている。電気自動車の開発にも注力しており、今後は自動運転車の開発体制にも力を入れるだろうとBloombergが報じている。

モルガン・スタンレーのアナリストであるKaty Huberty氏はアップル・カーは新技術の適用と既存市場に対する同社の強さを発揮することになるだろうと期待を寄せている。

「Appleは常に市場の先駆者であったわけではないが、イノベーションを原動力として、同社は垂直統合を通じた、製造および運営における強みを発揮して、市場シェアを伸ばしてきた例を過去20年間に多くみてきた」とApple社の強みに言及する。

結論

同社の株価は安定的に推移していることから、足元の高位な市場ボラティリティの中にあっても、割安な価格でApple株を購入することは難しいかもしれない。しかし、一時的な下落がみられた場合には押し目買いの機会を逃さないことが重要だ。




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