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ダウ工業株30種平均指数の構成銘柄である、ユナイテッドヘルスの株価は、2021年に年初来約39%上昇している。
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11月初旬に発表された第3四半期の企業決算の内容は堅調で、経営陣は通年のEPS見通しを引き上げた。
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長期投資家は、特に470ドルに向けて下落した場合、同社株を押し目買いすることを検討すると良いかもしれない。
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UnitedHealthcareは、雇用者、個人、メディケアやメディケイドの受給者に医療保険を提供
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Optumは、医療情報技術およびイノベーションを提供する企業で、医療および保険サービスを向上させるためのさまざまなサービスを提供
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iShares U.S. Healthcare Providers ETF (NYSE:IHF):年初来22.0%上昇し、同社株の保有割合は全体の25.34%だ。
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SPDR Dow Jones Industrial Average ETF Trust (NYSE:DIA):年初来17.1%上昇し、同社株の保有割合は全体の9.05%だ。
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Amplify CWP Enhanced Dividend Income ETF (NYSE:DIVO):年初来15.4%上昇し、同社株の保有割合は全体の6.65%だ。
医療保険会社大手UnitedHealth Group (NYSE:UNH)はダウ工業株30種平均指数を構成する銘柄の一つであり、同社株を保有する投資家は、2021年に大きなリターンを享受している。同社株の年初来リターンは38.9%であり、ダウ・ジョーンズ米国保険インデックスの+24.9%を大きくアウトパフォームしている。
12月16日に同社株は497ドルに近い史上最高値を記録したが、その後は約2%下落し、487ドル前後で推移している。 現在の株価で考えると配当利回りは1.2%にのぼる。また、株価の52週間のレンジは320.35ドル~496.96ドルで、時価総額は4588億ドルである。
経営陣は10月14日、第3四半期の堅調な企業決算を発表した。売上高は723億ドルで、前年同期は651億ドルから増加がみられている。同社は主に2つの事業での収益が良好であったと報告している。
調整後の1株当たり純利益(EPS)は4.52ドルで、営業活動によるキャッシュフローは76億ドルであった。また、同社は、通年の調整後純利益を1株当たり18.65ドルから18.90ドルに引き上げた。
この決算内容に関して、CEOのAndrew Witty氏は次のように述べている。
「私たちの前向きな成長と営業成績は、34万人のOptumとUnitedHealthcareの社員のおかげだ。」
この四半期決算の発表前、株価は450ドル前後であったが、その後、12月16日には496.96ドルの史上最高値を記録するまでに上昇した。そして12月17日には487.12ドルで引けている。12月14日には、ゴールドマン・サックスが同社株の評価を「買い」とし、ポジティブな価格モメンタムに拍車をかけている。
UnitedHealth株に期待すること
Investing.comの調査に回答した28人のアナリストの評価をみると、UnitedHealth株は「アウトパフォーム」の評価を受けている。
出所:Investing.com
アナリストは、今後12ヶ月間の目標株価の中央値を494.44ドルとしており、これは現在の株価水準から1.5%以上の上昇を意味している。換言すると、好材料のほとんどはすでに株価に織り込まれていると考えることができる。過去12ヶ月間の価格レンジは現在、360ドル~570ドルだ。
出所:InvestingPro
しかし、配当や株価収益率(PER)、株価売上高倍率(PSR)を考慮した、InvestingProによる評価モデルを使うと、同社株価の平均適正価格は547.31ドルであり、これは現在の水準から12%以上上昇の可能性があることを示している。
さらに、100以上の要素を情報ヘルスケア・セクターの同業他社と比較してランク付けすることで、同社の財務の健全性をみることもできる。成長と利益の健全性という点では、同社は5点満点中4点を獲得し、全体的なパフォーマンスは「素晴らしい」と評価されている。
同社のPER、株価純資産倍率(PBR)、PSRはそれぞれ29.7倍、6.5倍、1.6倍だ。一方で、同業他社のこれらの指標はそれぞれ8.5倍、1.4倍、0.7倍である。別の言い方をすれば、UnitedHealth株は同業他社よりも評価水準が高いということを意味している。
最後に、テクニカル・チャートをみている投資家にとっては、同社株の短期および中期の指標のいくつかが買われすぎのレベルを示しており、注意を促していることに興味を持つかもしれない。
今後数週間で、株価は470ドル、あるいはそれをわずかに下回る水準まで下落する可能性があると予想する。その場合、460ドル近辺が最初のサポートになるだろう。
このような潜在的な下落の後、株価は数週間は横ばいで推移する可能性が高く、おそらく460ドル付近でベースを確立した後、新たなレッグが始まるとみている。
ポートフォリオへの組入を検討
短期的な株価変動を気にしない、2~3年程度の投資期間で同社株を強気にみている投資家は、長期的なポートフォリオに、この株価水準あたりで投資を検討するのが良いかもしれない。いくつかの評価モデルが示唆している547.31ドルを目標株価に設定しても良い。
あるいは、投資家は同社株を保有する上場投資信託(ETF)の購入を検討することもできる。ETFとしては次のようなものが挙げられる。
最後に、オプション戦略の経験があり、同社株がさらに下落する可能性があると考えている投資家は、ベア・プット・スプレッドを行うことを好むかもしれない。
しかし、ほとんどのオプション取引は、一般の個人投資家には適していない。したがって、以下の議論は教育目的であり、一般の個人投資家が実際に行うべき戦略ではないことに注意してほしい。
ベア・プット・スプレッドによる投資法
現在の株価:487.12ドル
ベア・プット・スプレッドでは、オプション投資家は権利行使価格の高いプットのロングと、権利行使価格の低いプットのショートの2つを持つ。この取引の両レッグは、いずれも同じ原資産(今回の場合UnitedHealth株)と同じ有効期限に設定する。
オプション投資家は、同社株が値下がりすることを望んでいる。ベア・プット・スプレッドでは、潜在的な利益と損失の両方を限定することができる。このようなベア・プット・スプレッドは、最大の損失を表すネット・コスト(またはネット・デビット)で成立する。
実際にUnitedHealth株を用いてみてみよう。
この戦略の最初のレッグとして、オプション投資家は、同社株の2022年2月18日期限、権利行使価格480ドルのプット・オプションのような、アット・ザ・マネー(ATM)またはわずかにアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のプット・オプションを購入する。このオプションは現在、16.23ドルで取引されている。オプション投資家は、2ヶ月弱で満期を迎えるこのプット・オプションを購入するために、1,623ドルの費用がかかる。
この戦略の第2段階では、同様にして同社株の2022年2月18日期限、権利行使価格470ドルのプット・オプションのようなOTMのプットを売る。このオプションの現在のプレミアムは12.85ドルだ。したがって売り手は、取引手数料を除いて1,285ドルを受け取ることになる。
最大リスク
今回の例では、最大のリスクは売買したオプション価格の差(スプレッド)に取引手数料を加えたものだ。ここでは、スプレッドのネット・コストは3.38ドル(16.23ドル - 12.85ドル = 3.38ドル)となる。
各オプション契約は原資産の100株に相当するため、3.38ドルを100倍する必要があり、最大リスクは338ドルとなる。
オプション投資家は、ポジションを満期まで保有して両レッグが無価値になった場合、つまり満期時のUnitedHealthの株価がロング・プットの行使価格(この例では480ドル)を上回った場合に、この金額を失うことになる。
最大限の潜在利益
ベア・プット・スプレッドでは、潜在的な利益は、2つの権利行使価格の差からスプレッドのネット・コストと取引手数料を引いた額に限られる。
つまり今回の例では、権利行使価格の差は10ドル(480ドル-470ドル=10ドル)となる。そして、上でみたように、スプレッドのネット・コストは3.38ドルだ。
したがって、最大利益は、手数料を差し引いた1株あたり6.62ドル(10.00ドル-3.38ドル=6.62ドル)となる。6.62ドルに100株をかけると、このオプション戦略の最大利益は662ドルだ。
この最大利益は、株価がオプションの満期時にショート・プットの権利行使価格(低い方の権利行使価格)以下になった場合(この例では470ドル)に実現する。
オプション取引の経験がある投資家の方は、ショート・プットのポジションは、株価が権利行使価格(ここでは470.00ドル)を下回った場合、満期時に割り当てられるのが一般的であることを知っているだろう。しかし、早期譲渡も可能かもしれない。そのためこのポジションは満期まで監視する必要がある。
満期時のブレイクイーブン価格
最後にこのトレードの損益分岐点を計算してみよう。この価格においては、このオプション取引戦略によって利益も損失も出ない。
満期時には、ロング・プットの権利行使価格(この例では480ドル)から支払ったネット・プレミアム(ここでは3.38ドル)を引いたものが、損益分岐点となる原資産株価になる。
今回の例では、480.00ドル - 3.38ドル = 476.62ドル(これに取引手数料を引いたもの)だ。
結論
同社株はほとんどの長期的なポートフォリオに加えても良いかもしれない。しかし、最近の価格上昇を受けて、やや割高な水準になっている。したがって近い将来に5%から7%の調整が起きる可能性がある。興味のある投資家は、このような下落を押し目買いの機械と考えることができる。
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