ソーシャル・メディア・プラットフォームであるTwitter (NYSE:TWTR)の株を保有する投資家にとって、2021年は良い年とはならなそうだ。株価は年初来で約19.4％下落している。
2月25日、同社の株価は80ドルを超え、過去最高値を記録した。しかしその後、株価は約45％下落し、前日の終値は44.37ドルとなった。同社株の過去52週間の値幅は41.01ドルから80.75ドルで、火曜日現在の時価総額は354.1億ドルにのぼる。
同社は、10月26日に第3四半期の企業決算を発表した。収益は12億8,000万ドルで、前年同期の9億3,600万ドルと比較して増加した。収益全体のうち、11億4,000万ドルは広告収入で、前年同期比41％の増加を示し、残りは主にデータ・ライセンスからの収入であった。
同社の広告収入のほとんどは、デジタル商品およびデジタル・サービスによるものであるため Meta Platforms (NASDAQ:FB)やSnap (NYSE:SNAP)の収益に悪影響を及ぼしているようなサプライチェーンの問題は、Twitterにとっては無縁だ。
調整後の1株あたりの売上は、アナリスト予想の15セントに対し、18セントであった。一方、同社の収益化可能なデイリー・アクティブ・ユーザー数（mDAU）は2億1,100万人となり、前年同期比で13％の増加を示した。
同社の2021年第4四半期の収益ガイダンスは、15億ドルから16億ドルの範囲となっている。10月下旬の四半期決算発表前、株価は60ドル台で取引されてた。本稿執筆時点では、44ドル前後で推移している。
また、先日Twitter社の共同創業者であるジャック・ドーシー氏がCEOを退任した。現在は前最高技術責任者を務めたParag Agrawal氏が経営の指揮を執っている。今後、Agrawal新CEOは、ブロックチェーン技術に力を入れることが期待されている。
ツイッター株に期待すること
Investing.comが集計した38人のアナリスト予想では、Twitter株は「中立」の評価を受けています。
出所：Investing.com
アナリストたちは、12ヵ月後の目標株価の中央値を63.94ドルとしており、これは現在の水準から63％以上の上昇を意味する。過去12ヵ月間の価格レンジは足元、15.00ドルから85.00ドルとなっている。
一方で、株価収益率（PER）や10年間の割引キャッシュフロー（DCF）などの評価モデルによると、同社株の平均的な適正株価は46.20ドルであり、足元の水準よりも7.5％の上昇余地があることを示唆している。
出所：InvestingPro
さらに、100以上のファクターを使って、通信サービス・セクターの同業他社と比較したランク付けすることで、同社の財務の健全性を測ることができる。成長性、キャッシュ・フロー、価格モメンタムの観点からみると、Twitter社の評価は5点満点中3点を獲得している。また、総合的なパフォーマンスも3（「妥当」）との評価が出る。
同社の株価純資産倍率（PBR）と株価売上高倍率（PSR）は、それぞれ4.9倍と7.3倍となっている。これに対し、同業他社のPBRは4.4倍、PSRは3.5倍である。
最後に、テクニカル・チャートをみている投資家は、同社株の短期・中期指標のいくつかが売られすぎのシグナルを出していることに興味があるかもしれない。つまり、株価の下落基調がまもなく止まる可能性があるということだ。
最近の大幅な値下がりを考えると、今後数日のうちに株価は安定し始め、おそらく40ドルから45ドルの間のレンジで取引される可能性がある。ツイッターの株価が新たなベースを確立すれば、上昇基調に転じることが期待できる。
キャッシュ・セキュアード・プットの売り
Twitter株が今後数週間で横ばい、あるいは上昇に転じる可能性があると考える投資家は、ツイッター株のキャッシュ・セキュアード・プット・オプションの売りを検討すると良いだろう。これはこれまでも取り上げてきた投資戦略だ。この投資戦略はオプション取引を伴うため、すべての投資家に適しているわけではないことには注意が必要だ。
ある投資家がTwitterの株を買いたいが、足元の株価水準である44.37ドルは払いたくないと仮定する。その代わりに、今後数ヶ月の間に、現在の株価よりも低い水準で購入したいと考えているとしよう。
1つの方法は、株価が下がるのを待つことだが、それは実現するかどうかわからない。もう一つの取引方法は、キャッシュ・セキュアード・プット・オプションの売りを行うことだ。
投資家は通常、アット・ザ・マネー（ATM）またはアウト・オブ・ザ・マネー（OTM）のプット・オプションを組成し、同時に100株の株式を購入できるだけの現金を用意する。
このオプション投資家は、オプションの有効期限である2022年2月18日までこの取引を行うと仮定する。現在の株価が44.37ドルなので、OTMのプット・オプションの権利行使価格は40.00ドルだとしよう。
したがって、オプションの買い手がオプションを行使した場合、売り手は行使価格40ドルでTwitter株を100株購入しなければならない。
同社株の2022年2月18日期限、権利行使価格40.00ドルのプット・オプションは、現在2.15ドルの価格（またはプレミアム）で取引されている。
オプションの買い手は、オプションの売り手に2.15ドル×100、つまり215ドルのプレミアムを支払う。このプレミアム額は、将来何が起こっても、オプションの売り手に入るものだ。プット・オプションは、来年2月18日（金）に権利が失効する。
株価が権利行使価格の40ドルを上回って期限を迎えた場合、売り手はプレミアム額を受け取れ、これが売り手の最大の利益となる。このような状況となれば、このオプションは権利行使されずに失効する。
2月18日の満期前または満期時に、このプット・オプションがイン・ザ・マネー（株価が行使価格の40ドルを下回る状況）となった場合、このプット・オプションを行使することができる。この場合、売り手はプット・オプションの行使価格40ドルで、Twitter社の株式を100株（つまり、合計4,000ドル）購入する義務を負うことになる。
この例での損益分岐点は、権利行使価格（40ドル）から受け取ったオプション・プレミアム（2.15ドル）を差し引いた37.85ドルとなる。この株価以下となれば売り手が損失を被り始める。
キャッシュ・セキュアード・プットの売りは、現在の市場価格で企業の株式を買い取るよりもやや保守的な戦略である。この方法は、今後数週間の間にツイッター社の株価が変動した場合、有効な取引方法かもしれない。
プット・オプションを売った結果、Twitter株を保有することになった投資家は、さらに、株式の潜在的なリターンを高めるためにカバード・コールの設定を検討することができる。このように、キャッシュ・セキュアード・プットの売りは、株式保有の第一歩ともいえるのだ。
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