非代替トークン(NFT)の投資家には、次の日曜日に開催されるスーパーボウルLVIにチャンネルを合わせる特別な理由がある。2021年9月、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は、ナショナル・フットボール・リーグ選手会、および暗号ゲームグループのDapper Labsとともに、NFLファンのための独占的なデジタル・ビデオ・ハイライトNFTの作成を発表したからだ。
プレス・リリースの中で、NFLはこのプロジェクトについて説明している。
「この新しいデジタル・グッズは、NFLファンの皆様に、試合中の最も素晴らしい瞬間一番話題になった瞬間を集めて収録したNFTのユニークな機会を提供することになるだろう。」
ロサンゼルス・ラムズとシンシナティ・ベンガルズの試合は、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるSoFiスタジアムで行われる。このスタジアムの名前は、金融テクノロジー(フィンテック)グループのSoFi Technologies (NASDAQ:SOFI)が、20年間の命名権に6億3500万ドルを支払ったことに由来している。
スーパーボウルで注目される企業
金融市場にとって、プロ・スポーツはビッグ・ビジネスである。例えば、アメリカで賭けスポーツ・ベッティングを合法化する州が増えるにつれ、スーパーボウルの試合を対象とした賭けも増えている。
1月初旬、ニューヨーク州は他の17州とともに、オンラインでのスポーツ賭博を合法化した。当初、同州はCaesars Entertainment (NASDAQ:CZR)が所有するCaesars Sportsbook、DraftKings (NASDAQ:DKNG)、Flutter Entertainment (OTC:PDYPY)の子会社であるFanDuel、Rush Street Interactive (NYSE:RSI)に対して、モバイル・スポーツ・ブックの運営を承認していた。
一方、NBCはすでにすべての広告枠を完売しており、30秒のスポットCMは過去最高の700万ドル(約7億円)で、昨年から25%以上の上昇を記録している。
CMを予定している企業には、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)、Anheuser Busch (NYSE:BUD)、高級自動車ブランドのBMW (OTC:BMWYY)、 Booking.com (NASDAQ:BKNG); General Motors (NYSE:GM);Hologic (NASDAQ:HOLX); PepsiCo (NASDAQ:PEP)が製造するLay's; Monday.com (NASDAQ:MNDY)、Rakuten (OTC:RKUNY)、Walmart (NYSE:WMT)の子会社であるSam's Club、Yum! Brands (NYSE:YUM)の子会社Taco Bell、Turkish Airlines (OTC:TKHVY)、Wallbox (NYSE:WBX)などがある。
さらにシンガポールに本社を置く暗号資産取引所Crypto.comと暗号資産デリバティブ取引所FTX が広告を掲載することを、暗号資産投資家は知っておくべきかもしれない。
最後に何百万人ものアメリカ人が、大規模なスポーツ・イベントの直前や当日に食べ物や飲み物、装飾品、アパレル、レジャーなどに多額の支出をすることに触れておかなければならない。全米小売業協会(NRF)の調査によると、消費者の総支出額は145億ドルを超えるとみられている。そのため、消費者関連の生活必需品や一般消費財株、ETF(上場投資信託)なども脚光を浴びることになるだろう。
これらの情報をもとに、今週末のスーパーボウルで利益を得られるETFを紹介しよう。
Roundhill Sports Betting & iGaming ETF
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現在の価格:22.30ドル
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52週間のレンジ:19.82ドル~33.26ドル
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経費率:年率0.75%
現在、米国では約30の州でスポーツ・ベッティングが合法化されている。言い換えれば、現在1億人以上のアメリカ人が、自分の住む州で合法的に賭けをすることができるのである。
一方、世界のオンライン・ギャンブル市場の規模は、2023年には900億ドルを超えると予想されている。また、American Gaming Associationによると、米国のゲーム(カジノ)産業は180万人の雇用を支えている。そのため、株式市場はこのレジャー分野の企業に注目している。
当ETFであるRoundhill Sports Betting & iGaming ETF (NYSE:BETZ)は、スポーツ・ベッティングやiゲーミング分野に従事するグローバルな事業者に投資している。このETFは2020年6月に取引を開始した。
BETZは現在44銘柄を保有しており、有力10銘柄で純資産2億3400万ドルの約45%を占めている。企業の約3分の1は米国に拠点を置いている。次いで、マルタ(15%)、英国(10%)、オーストラリア(9.5%)、スウェーデン(7.7%)、アイルランド(5.2%)の企業が続く。
Penn National Gaming (NASDAQ:PENN)、Kindred Group (ST:KINDsdb)、Flutter Entertainment, Kambi Group (ST:KAMBI)、 DraftKings、Pointsbet Holdings (ASX:PBH)などが主な保有銘柄として挙げられる。サブ・セグメント別では、スポーツ・ブック(27.4%)、テクノロジー(25.9%)、iゲーミング(24.7%)、カジノ(17.6%)と続く。
当ETFは2021年3月中旬に史上最高値を記録したが、その後、ETFの多くの銘柄が下落圧力を受けている。その結果、ETFは過去52週間で28%以上値を下げた。
年初来では、BETZは10.9%低下している。これに対しS&P 500 Casinos & Gaming Sub Industry indexは、わずか0.3%の下落(または横ばい)に留まる。このセクターの潜在的な成長を考えると、長期投資家は現在のレベルでETFの購入を検討しても良いだろう。
結論
2月13日、約1億人のアメリカ人が今年のスーパーボウルの試合を観ることだろう。どちらのチームが優勝するかはわからないが、投資家の皆さんは、自分のポートフォリオに入っているいくつかの企業がタッチダウンを決めることを期待しよう。
当ETFに加えて、探究すべきもう1つのETFは、SmartETFs Advertising & Marketing Technology ETF(NYSE:MRAD)かもしれない。これは2020年12月下旬に取引を開始し、過去1年間で25%以上下落している。この下落のほとんどは2022年の値下がりだ。