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今週のトピック:ロシア・ウクライナ情勢によるヘッドラインが株式市場を押し下げ、利上げ効果を低減させる可能性

発行済 2022-03-14 00:25
更新済 2020-09-02 15:05
  • 特異なセクター・ローテーションが示す、市場の異常な動き

  • FRBの利上げは本当に織り込み済みなのだろうか?

  • 今週は米国の金融政策とその市場に対する影響が市場参加者の関心の中心になるはずだが、ロシアのウクライナ戦争とそれによる欧州および世界への影響がヘッドラインの大半を占める可能性がある。

    米国連邦準備制度理事会(FRB)は、長年ゼロ近辺で推移してきた政策金利を、今週25bps引き上げると予想されている。FRBのパウエル議長はすでに利上げの意向を伝えているため、アナリストは大きな反応を期待していない。しかし政策担当者は、将来の利上げに関する予想、インフレに関する見解、または米国経済全般に関する見通しに対して、市場にサプライズを与える可能性がある。

    あるいは、市場の反応が政策立案者や識者を驚かせる可能性もある。いずれにせよ、FRBがパンデミック前以来の利上げに踏み切ったことは特筆に値する。2月の消費者物価指数が前年比7.9%と40年ぶりの高水準となり、政策引き締めに関する動向はさらに注目される。

    政策当局が史上最も緩和的な金融政策を実施した後、通貨供給量を減らし、借入コストを引き上げていることを考えると、利上げはすでに既定路線であるのに、市場はサプライズで強く反応する可能性がある。さらに2008年以降、低インフレまたはゼロ・インフレが何年も続いた後、現在の持続的なインフレの高騰が状況を悪化させている。

    FRBによる今後の取り組みは、市場を超金融緩和策から引き離すことを意図している。FRBの金融緩和策に依存し、人工的な経済を形成してきた市場での取引に慣れてしまった若い世代の投資家が、利上げを受けてどう反応するかは誰にもわからない。

    決算シーズンは基本的に終わり、投資家はニュースの欠如を他のヘッドラインで埋め合わせする必要性を感じるかもしれない。また、利上げのニュースがあまりにも既定路線であれば、欧州での紛争のほうが常に意識されることになる。紛争そのものでなくとも、戦争による供給障害、米国とEUによるロシアへの経済制裁の強化、ロシアによる報復的な制裁措置など、さまざまな影響が考えられる。しかし、現時点では、エネルギー価格の高騰と市場の混乱が最も大きな打撃となる可能性がある。

    S&P以外の株価指数ではデス・クロスが出現

    先週を通して株式のボラティリティが作用し、S&P500指数は2.88%下落し、6月14日の週以来の低い水準で取引を終えた。

    SPX 週次チャート

    ベンチマークはペナントを形成し、先の急落で弱気とみなされた。ペナントがヘッド・アンド・ショルダー(H&S)トップのネックライン上に位置するため、不吉なシグナルが強まる。しかし価格はネックラインの右側でサポートされたため、このパターンはまだ完全に形成されたわけではない。また、S&P500は主要株価指数の中で唯一、50日移動平均線が200日移動平均線を越えておらず、デス・クロスを誘発する可能性があるため、注意が必要だ。

    SPXの11セクターのうち、週次ベースではエネルギーだけが2.15%上昇し、プラス圏で取引を終了した。生活必需品は最もパフォーマンスが悪く、週足で5.84%下落した。生活必需品は、消費者にとってなくてはならない必需品を提供していることから、市場の低迷時にアウトパフォームする傾向があるため、これは注目に値する事象だ。

    上記は、現在の市場がいかに異常であるかを示す一例に過ぎない。投資家センチメントは明らかにリスク・オフだが、最も安全なセクターである生活必需品セクターがアンダーパフォームしているのだ。

    それでも、S&P500のテクニカルは、他の株価指数と比べれば悪くはない。

    大型株で構成されるダウ工業株30種平均は週次で2%下落し、3月15日の週以来の安値で取引を終えた。ダウも弱気ペナントを展開していたが、恐るべきデス・クロスを形成して既にトップアウトしていた。

    ハイテク株の構成比率の高いNASDAQ 100は週次で3.87%下落し、米主要指数の中でアンダーパフォーマーとなっている。11月19日に記録した株価から19.74%下落し、弱気相場が確定するまであと0.26%に迫っている。

    NDX 日次チャート

    NASDAQ100は、デス・クロスを含むH&Sトップを完成させた後、2連続の弱気ペナントを展開している。

    Russell 2000は1.06%下落し、2020年12月7日の週以来の安値で引けた。それでも、米国の4大ベンチマークの中で、先週は小型株指数がアウトパフォーマーとなった。

    小型株で構成されるラッセル2000が大型ハイテクの代表的な株価指数に対して優れたパフォーマンスを示したことは、パンデミックによるロックダウンと経済再始動後にみられた循環的なローテーションを彷彿とさせるものである。しかし、現段階ではこの関係はむしろ、大型株に比べて不利な立場にあった小型株のアンダーパフォ ーマンスによるものである。現在、金利先高感が強く、テクノロジー企業の高いバリュエーションが、金利上昇を前にした資金流出を引き起こしている。

    RUT 日次チャート

    Russell 2000は、1月27日時点で11月8日の過去最高値から20.94%下落し、すでに弱気相場の領域に突入している。この小型株指数は今後も低迷が続くと予想される。この指数はシンメトリカル・トライアングルを形成しており、トップアウトしてデス・クロスを引き起こした後、弱気になっている。

    米国10年債利回りは心理的に重要な節目である2%を何とか上回っていたものの、先週金曜日には1.997%とこれを下回って引けた。投資家が債券を売却すると利回りは上昇するが、これは一般的に投資家のリスク志向が高まり、株式へシフトするときに起こる現象である。しかし、株式がここ数年で最悪の暴落に見舞われていることを考えると、今はそのような状況にはない。むしろ、FRBによる金利上昇の見通しにより、現在の長期ゾーンの利回りは満足のいくものではないのだ。

    米国10年債利回り 週次チャート

    利回りは投資家の目線感を表す重要な指標であり、株式の先行指標となる可能性があることを以前に投稿し、利回りを注視してきた。また金利が小さなH&Sトップを形成している可能性も指摘してきた。しかし最近ではその前の、より重要な強気のシンメトリカル・トライアングルに注目するようになった。そして案の定、200週移動平均線の追加サポートに助けられ、金利はトライアングルから跳ね返された。

    しかしまだ決まったわけではない。H&Sが失敗し、ダブルトップとなる可能性もある。とはいえ、最終的な分析としては今までの見通しを維持する。

    今週、ドルは0.48%上昇し、5週中4週で上昇したことになる。

    米ドル 日次チャート

    米ドル、200週移動平均線にサポートされたH&Sボトムを再び試し、ネックラインに跳ね返されることに成功した。

    は、ドル高にもかかわらず上昇を続けている。先週1週間で0.94%の値上がりを記録した。

    金 週次チャート

    8月3日の週に記録した週足終値の0.28%に迫り、週次では一時5.18%の上昇したが、最終的にはわずか0.94%の上昇で先週の取引を終えた。週次で非常に長いアッパー・シャドウを持つ弱気ローソク足が、特大のシンメトリカル・トライアングルのインプライド・ターゲットを実現したため、投資家は慎重になるべきだろう。

    ビットコインは、建設的な管理方針を示唆したバイデン政権のリーク発言を受けて暗号資産愛好家は熱狂して、前週は週次ベースで15.85%と急上昇した後、先週は1.5%下落した。

    しかし激しい反応の後、暗号資産の投機家たちは、政府の干渉からの自由を主要な特長としているビットコインを、米国政府が規制するつもりであることを理解した。

    BTC/USD 日次チャート

    BTC/USDはライジング・トライアングルを形成する可能性があり、上方にブレイクアウトした場合には、強気勢がすべての売りを吸収し、より高い価格で追加のトークンを求めていることを示す。しかし、以前より大きなH&Sトップ、デス・クロスを伴うという予想を堅持する。

    {{8849|原油l}は、前の2取引日で14.3%も下落した後、先週金曜日には約3%も値を戻した。週次でWTIは4.3%下落した。

    原油 4時間チャート

    テクニカルな観点からは、原油は引き続き下落し、80ドルまで下がる可能性があるとみている。原油は、直前の直線的な下落の後、弱気な上昇フラグを完成させた。フラッグの目標値が実現すれば、4時間足チャートでH&Sトップが完成することになる。

    今週の予定

    時間は米国東部時間で記載

    月曜日

    21:00: 中国 – 工業生産: 4.3%から3.9%への低下を予想

    火曜日

    2:00: 英国 – 失業給付請求者変化: 31.9千件減から28.0千件減を予想

    5:00: ドイツ – ZEW景況指数: 54.3から10.0への低下を予想

    8:30: 米国 – PPI: 1.0%から0.9%への低下を予想

    水曜日

    8:30: 米国 – コア小売売上高: 3.3%から1.0%への低下を予想

    8:30: 米国 – 小売売上高: 3.7%から0.4%への低下を予想

    8:30: カナダ – コアCPI: 前回は0.8%

    10:30: 米国 – 原油在庫: 前回は1.863百万バレル減

    14:00: 米国 – FOMC 経済見通し、声明、政策金利の決定: 0.5%へ25bpsの利上げを予想

    14:30: 米国 – FOMC後の記者会見

    木曜日

    4:30: ユーロ圏 – ECBのラガルド総裁の声明

    6:00: ユーロ圏 – CPI 前年比5.8%を予想.

    8:00: 英国 – BoE政策金利の決定: 0.50%から0.75%への利上げを予想

    8:30: 米国 – 住宅着工件数: 1.895百万件から1.850万件への低下を予想

    23:00: 日本 – 日銀政策決定会合

    金曜日

    8:30: カナダ – コア小売売上高: 前月比-2.5%から-2.0%への上昇を予想

    10:00: 米国 – 中古住宅販売戸数: 2月は6.50百万件から6.16百万件への低下を予想

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