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戦争景気が冷え込み、パラジウムは史上最高値から45%下落する可能性

発行済 2022-03-16 21:27
更新済 2020-09-02 15:05

原油は1バレルあたり130ドルの高値から下落し、小麦価格はウクライナでの戦争に世界が適応するにつれ、上昇分の一部を失った。

パラジウムは、ロシアに課された制裁によって価格が異常をきたしたもう一つのロシアが主な生産国であるコモディティであり、今月の過去最高値からさらに下がるとみられる。問題はどの程度下がるかということだ。

パラジウム 日次チャート

すべてのチャートので出所:skcharting.com

パラジウムは、ガソリンの排ガスを浄化しエンジン性能を高める触媒コンバーターに使用される金属だが、世界の自動車生産に影響されるため、季節的な価格見通しをもつべきものだ。

一般的に、自動車生産台数が増加するほど、触媒コンバー ターのニーズも高まり、その浄化装置を製造するために必要なパラジウムの需要も増加する。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻は、この動向を一変させた。

自動車市場/触媒部品に関する統計的分析

パラジウムのもう一つの主要生産国である南アフリカの鉱山が生産目標を下回ったため、パラジウム市場はここ数年需給が逼迫している。しかし、ウクライナ侵攻に伴うロシアへの制裁措置により、市場は危機的な供給不足の時期に入ったと懸念される。

パラジウムの強気筋は、紛争によってロシアのパラジウム生産が中断されるか、制裁措置によって他のコモディティとともにパラジウムがロシアから輸出されなくなることを予想している。

しかし、2020年のコロナ禍発生以降、自動車生産が引き続き減速しているため、パラジウムの上昇幅は限定的であろう。

パラジウム 週次チャート

2021年、ロシアは全世界の生産量の40%(260万オンス)を占めた。昨年は、コロナウィルスのパンデミックにより自動車セクターが半導体不足に直面したため、パラジウムのパフォーマンスも悪化した。

特殊金属精錬会社Johnson Mattheyが発表した2021年末の市場レポートによると、パラジウムの需要は供給よりも速く回復し、2021年の市場の供給不足は82万9000オンスに拡大したと推定される。

Markets & Research Bizによると、世界の自動車用触媒コンバーター装置市場は2021年に174億ドル、2028年には202億3000万ドルに達し、複合年間成長率は2.2%と予測されている。

Cox Automotiveは、2月の新車販売台数が2021年2月から11%減少し、おそらく108万台になるだろうと予測した。

季節調整済み年率(SAAR)でみると、新車の供給不足によって市場が依然として大きく制約されており、2月の米自動車販売ペースは1440万台近くと1月の1500万台や、昨年2月の1590万台から大きく減速すると予測される。

Cox Automotive.のシニア・エコノミスト、Charlie Chesbrough氏は、「しかし、販売台数が大幅に増加すると予想される春には、SAARは特に弱くみえるだろう」と述べた。

「在庫の大きな上昇がなければ、3月のSAARは大幅な減少を示すだろう。」

今後のパラジウム価格の見通し

ニューヨークのCOMEX市場で最も活発なパラジウム先物取引は、3月7日に過去最高の3417.02ドルまで急騰した。同じ日に、ロンドンで取引されている世界の原油ベンチマークブレント原油が1バレル139.13ドルの史上最高値を更新した。

ブレント原油が戦争による高値から下落するにつれ、パラジウム価格も下落している。

パラジウム 月次チャート

原油のベンチマークは今週初めに97.44ドルの安値をつけ、その後100ドルを超える水準に戻った。火曜日正午のシンガポール(ニューヨーク深夜)の取引で、パラジウムのスポット価格は2,429.56ドルの安値を付けた後、2,476ドル近辺で推移している。

skcharting.comのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、Sunil Kumar Dixit氏は、パラジウムは1,885ドルに低下する可能性があり、これは過去最高値から45%の下落を意味すると述べている。

「パラジウム価格が3,417ドルまで上昇したことは、自動車触媒の金属にとって良くも悪くも影響を及ぼした」。Dixit氏によると、その後2316ドルまで下落し、1,100ドルの損失となり、「パラジウムがここからの動向を予測するのは難しい」という。

「しかし、このような異常な上昇とブレイクアウトが起きたことで、異常な反落も起きうることだ」と付け加えた。

同氏は、パラジウムはその後、前月の安値である2,168ドルを上回って推移していると述べた。

「この水準を下回ると、次の調整局面を迎える可能性があり、200週単純移動平均の1,885ドルが当面のターゲットとなる。」

一方、前月の安値2,168ドルを上回った場合、買い手がつき、価格は2月のピーク2,712ドルを目指し始めるかもしれないと、Dixit氏は言う。

「もしそうなら、次にクリアすべき重要なポイントは2,866ドルになるだろう」と彼は言う。

「これは、3,417ドルのスイングから2,316ドルまでのフィボナッチ・リトレースメント50%に相当する。次の水平方向の抵抗は3,009ドルで、その後3,417ドルを再び試す展開になる。」

免責事項:Barani Krishnanは、あらゆる市場の分析に多様性を持たせるために、自身以外のさまざまな見解を用いている。中立性を保つため、同氏は時に逆張りの見解や市場の変数を提示することがあります。同氏は執筆しているコモディティおよび証券のポジションを保有していない。

 

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