過去数ヶ月間、大きな下落がみられた高成長テクノロジー株は、エネルギー、素材、金融などの景気敏感株やセクターから再び投資資金が回帰したことから、最近の取引日で値を戻している。
その結果、3月14日に1年ぶりの安値をつけた後、ハイテク株中心のNASDAQ Compositeは約16%上昇し、ハイテク株に再び脚光が浴びている。
そこで、急成長するハイテク銘柄を3つ紹介する。
1. Shopify
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年初来パフォーマンス:-46%
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過去最高値からの値下がり率:-57.8%
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時価総額:937億ドル
2020-21年のコロナ禍による影響を受けなかった企業の一つであるShopify (NYSE:SHOP)は、高成長テクノロジー企業、特に株価収益率(PER)が高位な株が全体的に下落する中、大きく値下がりした。
過去2年間にそれぞれ184%と21%の上昇した株価は、Eコマース専門企業を悩ますいくつかのマイナス要因の影響が続いているため、2022年には価値の半分近くを失っている。さらに驚くべきことに、2021年11月に1,762.92ドルの過去最高値を記録して以来、最高値から約60%、年初来で46%それぞれ下落している。
3月14日に2020年4月以来の安値となる510.02ドルまで値下がりした後、火曜日には743.98ドルで引けるまで回復している。現在のレベルで時価総額は937億ドルとなっている。
金利上昇に伴うマクロ経済関連の売り圧力に加え、オンライン・ショップの開設やブランドの管理を支援する同社への投資家センチメントは、パンデミック後の世界における同社の成長見通しに対する懸念から、再び悪化した。
2月中旬に発表した第44四半期の企業決算で、Eコマースの減速と、インフレ高騰による個人消費への悪影響の可能性から、コロナ禍による売上増加が今年中に薄れるだろうと警告している。
しかし、株価は、175カ国で約200万店舗が利用するEコマース・ソフトウェアのリーディング・カンパニーであることから、今後数カ月間にわたって回復を続けるものとみられる。
Investing.comが調査したアナリスト40名のうち21名が同社株を「アウトパフォーム」と評価し、現在の水準から約35%上昇して1,006.91ドルになったとしても驚くことではない。調査対象のアナリストの中で、SHOP の株を「売り」と評価しているのは、たった一人だ。
出所:Investing.com
2. Uber Technologies
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年初来パフォーマンス:-11.3%
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過去最高値からの値下がり率:-41.9%
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時価総額:727億ドル
Uber Technologies (NYSE:UBER)の株価は、割高感が強いことから、金利上昇に最も敏感な高成長テクノロジー銘柄からの資金流出による影響を受け、ここ数ヶ月苦戦している。
株価は3月上旬に28.28ドルと2020年5月以来の安値まで下落し、ハイテク・セクターの幅広い売り込みの中で一時は32%も下落した。
その後、UBERは急落した分を取り戻したが、それでも年初来で11.3%下落し、2021年2月に達成した過去最高の64.05ドルから約42%低下している。昨日の株価は37.19ドルで終了し、時価総額は727億ドルとなっている。
ニューヨークとサンフランシスコのタクシー会社と提携し、同社のプラットフォームにより多くのタクシーを加えることに合意した。さらにロンドンでの2年半の営業許可を新たに取得したというニュースなど、前向きな展開が相次ぎ、投資家は下落した同社に再び資金を投入している。
Uberは2月に良好な第4四半期決算を発表し、売上と利益の両方で予想を上回った。また、アクティブ・ユーザー数も過去最高を記録した。この好調な数字を受け、Uberの経営陣は、モビリティに対する需要が「大幅に」改善したとして、今四半期の見通しを上方修正した。
それを考慮すると、Investing Proのモデルによると、UBERは今後12ヶ月で約11%の上昇をみることができ、適正価格は41.24ドルに近づくことができると予想する。
出所:InvestingPro
独立系アナリストはさらに楽観的で、調査対象となった46人のアナリストのUBERの平均目標株価は約59ドルで、今後12カ月間に現在の水準から約60%の上昇を見込んでいる。
出所:Investing.com
3. Twitter
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年初来パフォーマンス:-5.8%
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過去最高値からの値下がり率:-49.6%
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時価総額:325億ドル
Twitter (NYSE:TWTR)は、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ計画に対する懸念から、過去数ヶ月間、多くの一流テクノロジー企業の株価が暴落したのと同様に、株価は乱高下が続いている。
株価は、2月24日に20ヶ月ぶりの安値となる31.30ドルまで急落し、バブルの様相を呈しているハイテク分野全体の評価が急激に調整される中、今年一時26%も下落したが、穏やかな反発をみせ、年初来の下落幅はおよそ6%に縮小された。
TWTRは昨夜40.69ドルで取引を終え、2021年2月に達成した過去最高の80.75ドルを約50%下回る水準となっている。現在の評価額に基づくと、時価総額は325億ドルです。
モバイル広告業界におけるTwitterのユニークなポジションを考慮すると、過去12ヶ月で市場価値の半分を失うという残酷な暴落の後、ようやく底打ちの兆しをみせており、ここからの上昇幅が拡大すると期待できる。
共同創業者のJack Dorsey氏が11月に退任し、新CEOに就任したParag Agrawal氏の下、ツイッターは株主への還元を強化する方針を新たに打ち出し、2月中旬には40億ドルの自社株買いプログラムを発表している。
以前は同社の最高技術責任者を務めていたAgrawal氏は、さまざまな定額制サービスなど、顧客に新しい製品を提供するTwitterの取り組みを加速させたいと考えている。
第4四半期の収益と売上はアナリスト予想を下回ったものの、2023年末までに収益化可能な1日のアクティブ・ユーザー数(mDAU)を3億1500万人にするという以前からの目標は変わらないと、改めて表明した。ツイッターの12月31日時点のmDAUは2億1700万人で、前年比13%増でした。
実際、InvestingProの定量モデルは、今後12カ月間でTwitterの株価が現在の水準から12%近く上昇し、株価は公正価値である45.46ドルに近づくと指摘している。
出所:InvestingPro