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2022年第2四半期決算を4月28日(木)市場取引終了後に発表
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売上高予想:941億5,000万ドル
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EPS予想:1.43ドル
iPhoneなどの製造販売を手掛けるApple (NASDAQ:AAPL)の株価は、現在の市場混乱の中、他のテクノロジー企業の株価よりもはるかにレジリエンスがあることが証明されている。カリフォルニア州クパチーノに拠点を置く同社は、世界的なサプライチェーンの混乱にもかかわらず、スマートフォン、コンピューター、タブレット、およびウェアラブル製品の売上を四半期ベースで改善し続け、iPhone 13、Watch Series 7、および更新されたMacコンピューターなどの新製品が堅調に推移している。
その結果、同社は現在、FAANGとして知られるグループの中で、年初来最もパフォーマンスの良い大型株銘柄となっている。直近株価は156.80ドルで引けている。
しかし、明日の市場終了後に発表されるAppleの四半期決算では、その安全資産としての地位が試されることになりそうだ。最大の部品供給元である中国でのコロナ禍の再燃とそれに伴うロックダウン、そして高騰する輸送コストと労働力不足が、世界のサプライ・チェーンを圧迫し続けているからだ。
3月には、Taiwan Semiconductor Manufacturing (NYSE:TSM)の Mark Liu会長が、中国の大規模なロックダウンはパソコン、テレビ、スマートフォンの需要に打撃を与えると指摘した。Appleの供給元であるFoxconnは、政府がハイテク産業の中心地である深センを封鎖したため、3月に数日間、深センの拠点での操業を停止を余儀なくされた。
市場のアナリストは現在、時価総額で世界最大の企業であるAppleの売上高が前年同期比で5%以上上昇し、合計941億5000万ドルになると予想している。また利益は、パンデミックによって増加した前年同期の業績からわずかに減少し、1株当たり1.43ドルになる可能性があるとしている。
JPMorganは、顧客向けメモの中で、今週の決算報告で同社の主力製品であるiPhoneの売上が投資家を失望させるかもしれないと述べている。
「我々の事前の修正は、iPhoneとサービスの両方の収益に小幅な下方修正があったためであるが、これはアナリスト予想を下回っているC1Q22のスマートフォン販売の速報データに起因する。ただし、同時期のPC出荷が予想を上回ったことにより下落分は一部相殺されている。」
堅固な成長サイクル
上記の課題は短期的なものであることに注意しなければならない。Appleは、iPhoneの最新モデルやウェアラブルなどのガジェット、サービスに対する需要の急増に後押しされ、再び高成長サイクルに入っていることには注意が必要だ。
さらに、同社は予想を上回る決算を継続的に発表している。
そのためか、Investing.comが集計した44人のアナリスト予想のほとんどが、Apple株の購入を推奨している。
出所:Investing.com
12ヶ月のコンセンサス目標株価は約193.08ドルで、現在の株価水準よりも23.1%の上昇余地があることを示唆している。
JPMorganは、Appleの目標株価を210ドルから205ドルに引き下げたが、コンセンサス予想にいくつかのリスクがあるにもかかわらず、オーバーウエイトのレーティングを維持し続けている。目標株価を正当化するために、同行は次のように述べている。
「我々は、製品部門の予想以上の成長と、サービス部門の堅調な成長を背景とした利益率と収益の改善トレンドを引き続き期待し、通期の売上と収益の予想においてコンセンサスを上回っている。長期的な株価に対するポジティブな見方から、オーバーウエイトの評価を維持する。」
結論
Appleは、サプライ・チェーンの混乱や中国でのロックダウンが成長の足かせとなり、良好な四半期決算の発表ができず、一部の株主を失望させるかもしれない。
しかし、Appleの製品やサービスに対する旺盛な需要を考えると、決算後の弱気相場は長期投資家にとって魅力的な投資機会となるかもしれない。