「悪い金利上昇」と円安の関係 ― 国債増発懸念と市場の受け止め

発行済 2025-11-24 16:54
更新済 2025-11-24 16:54

11月17〜21日の週、為替市場では円安が進み、ドル円は一時156円台に迫る水準まで上昇した。スイスフラン円やユーロ円は史上最高値を更新し、出遅れていたドル円も年初の水準を回復。今週の円安は、日銀の利上げ後ずれ観測と「悪い金利上昇」が重なったことが背景にある。12月利上げの織り込みは前週の32%から16%へと半減し、7〜9月期GDPのマイナス成長や財政拡張との整合性を踏まえ、日銀が当面利上げを見送るとの見方が強まった。

長期金利は1.8%台半ばまで上昇し、2008年以来の水準を回復。財政悪化を懸念する「悪い金利上昇」との見方も広がったが、実際には日本のCDSスプレッド(国債デフォルト保険料率)は横ばいで推移しており、市場が政府の信認低下を織り込んでいるわけではない。足元の金利上昇は、国債増発観測によるタームプレミアム(長期債のリスクプレミアム)拡大が主因とみられる。

補正予算は17.3兆円規模と見込まれ、経済対策全体では21.3兆円に達する見通し。昨年を上回る規模感が意識され、10年・20年・30年国債入札はいずれも不調だった。もっとも、高市首相が「補正後の増発規模は昨年の42兆円を下回る」と説明したことで、市場の警戒感はやや和らいでいる。片山財務相は「必要に応じて適切な対応をとる」と発言し、為替介入への警戒感も残るが、実際の介入は160円を超えてからとの見方が根強い。

米国ではFOMC議事要旨で「多くの参加者が12月の利下げに慎重」と示され、利下げ観測の後退がドル高を支えた。一方で、失業率は4.44%と8月の4.32%から悪化しており、景気減速への懸念も残る。今週は米PPIやベージュブック、40年国債入札、日本の東京都区部CPIが注目材料となる。金利動向次第では円安が再燃する可能性もあるが、感謝祭を控えた薄商いのなかでは値動きが荒くなるリスクもある。

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